「一流の人」がナゼ別の分野では一流とは限らないのか?

写真AC:編集部

資産運用のセミナーには様々なバックグラウンドを持った人がやってきます。中には、医療業界で世界的な権威と言われる人や、ビジネスで輝かしい業績を上げている人もいたりします。しかし、そんな「一流の人」なのに、資産運用に関しては全くの素人という場合が珍しく無いのです。

先日も超有名なブロガーの方が、「普通の投資」として次のような方法を提案しているのを読みました。

1)就職したら最初の給与から投資を始める 半額を貯金、半額を投資に回す
2)ネット証券に口座を開く 口座は特定口座が良い
3)投資商品をひとつ決める 先進国の株式に投資するETFを使う
4)ログインは月1回、メンテは年1回 自分で毎月一回ログインして買付をする

これは、これから資産運用を始める人のやり方としては、かなり違和感を持ちました。

確かに、就職したら早速投資を始めるのは良いことだと思いますが、20代であれば、リスク許容度が大きいので、貯金と投資を半分ずつではなく、全額投資に回しても良いと思います。現金が手元に無いと不安かもしれませんが、投資信託のような流動性のある商品であれば、万が一の場合は、解約すれば良いからです。

また、ネット証券に口座を開設するのは賛成ですが、特定口座よりはNISA、イデコといった税制優遇口座を最初から積極的に活用すべきです。

さらに、投資に活用すべきなのは、ETFよりも投資信託(インデックスファンド)の方が良いと思います。なぜならETFの場合、毎月の定額の積立が原則できないからです。そして、毎月自分で買付作業を行うよりも、自動引き落としにして積立していった方がベターです。

ある分野で輝かしい実績を上げている方であっても、別の分野になると必ずしも正しいことを言っているとは限らない。

誰の言うことを信じたら良いかは難しい問題ですが、それぞれの分野にはそれぞれの分野の専門的な知識と経験が必要だということです。

上記のコラムを書いている方は、私自身いつもブログを読ませてもらい、大きな影響を受けている尊敬している方です。本ブログは、特定の方をディスる(批判する)のが目的ではありません。飽くまで、一般的な情報判断に関して陥りやすい注意点として、お読みいただければ幸いです。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年8月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。