そうか、もう君はいないのか

城山 三郎
新潮社

2010-07-28

 

城山三郎は、一橋大学の先輩だ。私が大学2年生のときに、入学式で講演した、らしい。「らしい」というのは、たまたま一浪した高校の同期と会い。一緒にいた彼のお父様から「今年は、城山三郎だった」と聞いた。城山三郎の没後に発表された、遺稿を編集したエッセイのタイトルが『そうか、もう君はいないのか』(新潮社)だった。2009年にはドラマ化をされている。

先日、不幸な事件で亡くなったHagexさんの追悼イベントが開かれた。私も参加した。

遺族の方や、古くからの親友の言葉にも胸が揺さぶられた。ただ、私が深くにも泣いてしまったのは、参加者と和気あいあいと喋っているときだった。「あぁ、いないんだ」と言った瞬間だった。そう、Hagexさんとは直接お会いしたことは一度だったのだけど。彼が刺殺されたあとも、炎上事件が起こるたび「Hagexさんなら、どう分析するかな」と思ったり。そのたびに「あぁ、いないんだ」と思ったりした。

そんな中、今度は大学時代からお世話になっていた、母校の職員の訃報が。ショックを受けている。パーキンソン病だという知らせを聞いたのが5月。激励のお手紙を書いた。職員として、プロレスのリングにもあがってもらったり。思い出はいっぱい。

「あぁ、いないんだ」と。

こういうことは今後、増えるんだろうな。

合掌。


編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2018年9月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。