停電の情報は基礎自治体に集約を!関西電力の停電情報は過少評価

足立 康史

北海道の地震に係る救助、復旧にも政府、北電等が全力で取り組んでくださっていることに感謝を申し上げますが、関西も依然として深刻です。関電の状況については既にツイートしたとおり、大阪府下の停電100万軒のうち5日中に8割が復旧(添付グラフ参照)しましたが、依然10万軒が停電したまま。

停電した家屋の1割で停電が継続しているのも深刻ですが、更に問題なのは残り10万軒(関電のHPに「大阪府:約98,710軒」(7日午前10時現在)とある)という数字が全く実態を表していないことです。関電管内で15万軒、大阪府下で10万件軒という関電の数字自体が全く過少評価なのです。

関電サイトより:編集部

例えば、私の選挙区(=大阪9区支部)内の3市2町のうち、関電HPでは茨木市、豊能町、能勢町に停電家屋は“ない”ことになっていますが、そんなことはありません。それぞれの自治体にまとまった数の未復旧が残っていることは、それぞれの首長に確認しています。迅速な情報の把握と対応が必要です。

更に、池田市内の停電地域は「綾羽2丁目」だけとなっていますが、倉田薫市長によると伏尾台2丁目と旭丘の池田高校周辺の停電が継続しており関電にも通報済みです。箕面市でも「桜4丁目」と「粟生間谷西5丁目」のみとなっていますが、倉田哲郎市長自らツイッターで情報収集し、関電に通報済みです。

以上のミクロ情報から分かることは、大阪府下の未復旧家屋10万軒=1割というのは明らかに過小評価だということです。もちろん、電柱から家屋に引き込むトランス等の障害を電力会社がすべて掌握できるとも思えませんが、だからこそ池田市、箕面市のように自治体が情報の結節点となることが重要です。

問題は、以上のような取り組みが各々の市長さんの見識と判断でなされているだけだということです。経産省も関電も大本営発表をするだけで説明責任を果たせていません。私からは経産省資源エネルギー庁担当課長に状況を報告していますが、関電が情報を掌握し地域にフィードバックするのは困難でしょう。

関西であれ北海道であれ、大事なことは、停電情報の結節点になり得るのは、大阪の池田市や箕面市の例を見ても分かるように、基礎自治体しかないということです。被災自治体の役所にあっては、停電の問題は電力会社の責任と割り切るのでなく、停電情報を集め整理し電力会社への通報をお願いいたします。

そして、経済産業省や関電、北電は、自分たちだけで復旧できると思わずに、基礎自治体の力を借りるべきです。電力会社や都市ガス会社の管轄は全国の広域ブロックごとになっているため基礎自治体との連携が十分でなかった点を反省し、直ちに体制を整え被災自治体に協力を要請するよう、求めて参ります。


編集部より:この記事は、衆議院議員・足立康史氏の公式ブログ 2018年9月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は足立氏のブログをご覧ください。