問題に直面したとき、予め思考プロセスを用意しておくと解決が速くなる。
「何が問題か?」「問題の原因は何か?」「解決方法は?」
この3ステップで考えることを、私は多くに人々に勧めている。
「何が問題か?」については、従事している仕事等によって異なるが、われわれ弁護士は、依頼者の話を聞き取りながら問題点をピックアップしていかなければならない。
司法試験の事例式問題で問題点(論点)を落とすと大減点を食らうように、問題点を捉え損ねるのは法律家として致命傷になる。おそらく、コンサルタントなどもクライアント企業の問題点をピックアップするのに時間と労力をかけるのではないだろうか?
「業績が低迷している」「新商品が売れない」などというように、問題点が明白な場合は、「その原因は何か?」を把握しなければならない。
原因は、時系列的かつ広範囲な分野から拾い出さなければならないので、それなりの労力とスキルが必要となる。
場合によっては、統計学の「ランダム化比較実験」などを実施する必要があるかもしれない。
考え得る原因を網羅した上で整理したら、最後は「解決策」を考える。
「解決策」もいくつか出てくると思われるので、一つの解決策に固執することなくできるだけたくさん出しておくことが必要だ。
このような思考プロセスは、とりわけ会議の前に参加者全員に課しておくと効果的だ。
社会心理学の実験によると、会議の多くでは各自の認識や知見が共有されないという恐ろしい結果が出ている。
これでは、何のための会議かわからない。
認識や知見を事前に共有する意味でも、主催者が参加者の思考プロセスを事前にまとめておくべきだろう。
なお、この思考プロセスについては、Himalayaの無料音声配信で詳しく紹介したので、併せてお聞きいただければ幸いだ。
編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2018年9月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。