こんばんは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。
昨日は、第13回データシティ勉強会を開催いたしました。
テーマは、「病児保育×テクノロジー」でした。講師は、病児保育ネット予約サービス「あずかるこちゃん」を運営するConnected Industries株式会社のCEOで産婦人科専門医の園田 正樹先生でした。
子どもの体調が悪くなってしまうと、保育園に預けることができなくなります。
そのような状況が続くと親御さんの退職の原因になってしまうこともあり、病児保育は重要になります。
しかし、病児保育は非常に非効率な現場が多いと伺いました。
前日に子どもが熱を出して病児保育の予約をしていても、当日は元気になってキャンセルするということも多いそうです。
共働き世帯が増えニーズがあるにも関わらず利用率は35%と空きが多く、キャンセル率は25%です。
非常に効率が悪い状態となっていて、事業者のポテンシャルが十分に活かされていない状況にあります。
病児保育の利用者は、
電話が繋がらない→満室で断られる→使えないと諦める
という状況です。
そして施設側は、
電話対応は大きな負担→当日のキャンセルが多い→利用率が低い
という悪循環に陥っていました。
これまでアナログで行ってきたからこその負担を、ICTにより効率化しています。
シェアリングエコノミーの概念を用いて、「あずかるこちゃん」が生まれました。
「あずかるこちゃん」では、スマホ(WebやLINE)を使って病児保育の予約ができます。
ただ施設の予約をオンラインで行うだけでなく、施設の部屋割りが必要となります。
インフルエンザや水疱瘡の子は、入れる部屋が限定されてしまいます。
そこで、オンライン問診を行い、さらに施設を横断し、病気に対応した部屋の割付を行います。
そして、この部屋割りは、行政が持つオープンデータ等を活用されます。
機械学習で、高い精度を実現されるそうです。
なぜ医療者が病児保育に取り組まれているのか気になっていました。
しかし、産婦人科医として子育て世帯の課題と直面したこと、さらに医療の問題を熟知されているからこそ、テクノロジーを導入し、具体的なソリューションに繋がったことを理解しました。
今後は、単なる予約システムではなく病児保育プラットフォームとして事業を展開し、病児保育と子どもを帰してしまっている保育園をつなぐという構想も、お話いただきました。
病児保育の本質は、就労支援よりもケアと保育を両立する「こども支援」とお話をされていることが印象的でした。
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これまでデータシティ勉強会は、エンジニアの方など、コンピュータが好きな方が中心でした。
今回は、保育園園長さんや医療・介護関係者、子育て世帯の方など、新たな参加者も多かったです。
昨日、参加者のお一人のお子さんが体調を崩されたそうで、改めて病児保育は非常に身近なテーマだと感じました。
園田先生と参加者のみなさまで、活発な議論が行うことができました。
子育て世帯がより働きやすく、子どもたちにもり良い環境が整っていく未来がやってくるでしょう。
それでは本日はこの辺で。
編集部より:この記事は新宿区議会議員、伊藤陽平氏(無所属)の公式ブログ2018年9月21日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は伊藤氏のブログをご覧ください。