来年は10連休と聞いて「憂鬱」になるのは私だけ?

内藤 忍

日本経済新聞によると、来年の天皇陛下の退位と皇太子さまの即位などのスケジュールが議論され、2019年4月27日から5月6日まで10連休が実現する見通しとのこと。土曜日から翌々週の月曜日までという前代未聞の長期休暇が一斉に実施されます(図表も同紙から)。

観光業界などでは、海外旅行などの需要喚起になると歓迎する向きもあるようですが、プラスの影響の一方でデメリットも懸念されます。

まず、この期間はどこも観光客が溢れ、混雑します。また、飛行機や宿泊の価格は高くなり、せっかく高い値段を出しても、どこも人だらけでうんざりといういつものゴールデンウィークの展開が来年は更にエスカレートしそうです。

また、ビジネスとして見ても、需要がこの10日間に集中すれば、連休後の反動は大きくなります。年間を通して需要を分散した場合と比較したら、マイナスになってしまうかもしれません。

需要が短期間に偏ると、サービス業の人手不足が更に深刻になります。宿泊施設やコンビニのような店舗など、既に人手が足りない業界は、さらに人件費高騰と人手の確保問題という2つの頭の痛い問題を抱えることになります。

資産運用という側面から見ても心配です。海外のマーケットは開いていますが、キャピタルマーケットが10日間閉まっているのは、異例です。国内の証券取引所で日本株が10日間取引できないとなれば、連休前のマーケットに影響が出てきます。

金融機関も10日間お休みになると、ATMが使えたとしても、日常生活に影響が出てきます。現金確保の動きが出たり、窓口業務がお休みなので、4月に前倒しの影響もあるはずです。

このように、全員が一斉に休むというのは、需要が一時期に集中することになり、資源配分を非効率にします。

来年の10日間は日本国内はどこも混雑でしょうし、海外に逃避しようにも行き帰りのフライトも高値で混雑しそうです。10連休と聞いてうれしいと思うより、憂鬱になってしまうのは私だけでしょうか?

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年10月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。