コスパ抜群の記憶法!短期記憶と長期記憶の工夫とは

Himalaya音声配信で、受験生から「効果的な暗記法」を質問された。

記憶というのは、忘却によって消滅するのではなく、思い出せなくなるだけのことだ。
適切な記憶喚起を行えば、いわゆる「記憶力」は増強できる。

まず、「短期記憶」を行わなければならない。
憶えていないものは、どれだけ頑張っても記憶喚起のしようがないからだ。

「短期記憶」を行う場合、同じ種類の作業を長時間続けると記憶の定着を妨げる。
例えば、1から10までの単元を記憶している時、5の単元の定着を4以前の単元の学習が妨げる「順光性の忘却」と、6以後の単元の学習が妨げる「逆行性の忘却」が働くからだ。
拙著「最強の勉強法」では、短期記憶の定着には「前門の虎と後門の狼」がいると説いた。
できる限り、同種作業を長時間継続しない工夫が必要だ。

同種の作業を継続しないよう心がけて「短期記憶」ができたら、次は「長期記憶」として定着させる工夫が必要となる。

とある心理学の実験で、学生を2つのグループに分け、1つのグループには憶えたすぐ後に復習をさせ、もう1つのグループには憶えてから数日後に復習をさせた。
その後、定着率を測定したら、後者の「数日後に復習をした」グループの方が圧倒的に定着率が高かった。

このように、一定期間後に記憶喚起の復習をし、また一定期間後に2回目の記憶喚起を行うなどすれば、効率的に記憶を定着させることができる。
3度め、4度目の記憶喚起をやれば、更に定着が深まるし時間もかからない。

その日のうちに何としてでも憶えようと汗水たらすのは、一夜漬けの時だけにしよう。
頑張った割には効果が期待できないのだから。

荘司雅彦
講談社
2014-02-14

編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2018年10月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。