“五感”をフルに使った最強の記憶法

“金木犀 遠きあの日が 蘇る”
お粗末な俳句で恐縮だが、昔の記憶が不意に蘇ってくるきっかけの一つは香りだ。

電車内でほのかに香ってきたコロンの香りで、昔付き合っていた異性を思い出すことも多いという。金木犀などの独特の香りによって、当時にタイムスリップする人も少なくないのではなかろうか?

もう一つの過去へのタイムスリップのきっかけは「音楽」だそうだ。
どこからか流れてきた曲を聞いて、その曲が流行っていた当時に突然のタイムスリップを経験した人もいると思う。

今回のHimalaya の音楽配信では「記憶法」について説明している。

大原則として、(当たり前のことだが)憶えたことをスラスラとアウトプットできれば記憶は定着したと言える。
筆記試験の場合はスラスラと書くことができればOKだ。

そのためには、普段の勉強でアウトプットの割合を増やすことと、「五感をフルに活用する」ことが大切だ。
授業を受けたりテキストを読んでいる比率が高くてアウトプットの比率が低いと、記憶の歩留まりは芳しくない。
どんどんアウトプットして記憶換気して定着させることが重要だ。

また、五感をフルに活用して、インプットとアウトプットを効果的に行うことも重要だ。
テキストを読むのは視覚、授業を聞くのは聴覚、(感覚ではないが)口で喋って、手を動かしてアウトプットする。

ちなみに、聴覚でのインプットは映像がない音声だけの方が効果的だ。
拙著「最強の勉強法」でも紹介したが、音声情報だけで視覚情報を頭の中で想像する方が頭脳ははるかに活発に活動する。

ここまでは、目と耳と口と手なので五感ではなく四感だ。
昔の記憶を喚起するきっかけとして香りが重要であることを斟酌すると、もしかしたら、嗅覚も記憶喚起に大いに役立つかもしれない。

昨今は、掌サイズのアロマディフューザも売られているし、匂いがきつくないコロン程度であれば周囲に迷惑をかけないだろう。
暗記作業をしているときに特定の香りを嗅ぐようにして、試験会場で同じ香りを再現する。
もしかしたら、本試験での記憶喚起に大いに役立つかもしれない。

経験値もなければ実験もしていないので甚だ無責任だが、「ほとんど手間いらず」なので試してみる価値はある。
効果が実感できた人がいたら、是非とも教えていただきたい。

荘司雅彦
講談社
2014-02-14

編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2018年10月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。