先日、第一報として書いた「韓国の徴用工賠償判決にできる日本の強い報復措置」はたいへん大きな反響を頂いている。内容は、次の五つが可能であるというものだった。
①日本人が半島に残した個人財産への補償を要求
②対北朝鮮経済協力の拒否(統一時も含む)
③三代目以降に特別永住者の地位を認めない事(日韓基本条約上は可能)
④歴史教科書における近隣国条項を韓国に限って撤回
⑤韓国大衆文化の流入制限(韓国が日本にしているのと同じ程度)
もっとも、「効果が怪しい」「国際社会からポリコレで叩かれそう」「極右国粋主義」とか言っている人もいたが、これは、経済産業省で日韓外交に当たっていた経験も踏まえ、また、国際的な外交の常識、法的な問題も考えての提案であって、そんな非現実的なものではない。
しかし、こういう激怒して当たり前の局面で、日本の各界の反応は人ごとみたいだ。
河野外相は、駐日韓国大使に、日本企業に不利益を及ぼさないように、韓国政府が毅然とした対応をとるよう要求し、適切な対応がなければ「日韓関係に影響が出ないことはない」と伝えたというのはまずます。
ただ、そのあとがいけない。韓国政府の対応が不十分な場合、請求権協定に基づく仲裁手続きや、国際司法裁判所(ICJ)への提訴も視野に入れ、「韓国政府が対応を協議しているので、しっかりと待ちたい」というのだが、韓国政府にとって痛くもかゆくもないような話ばかりだ。
ひどかったのは、元民進党副代表の小野次郎氏がとんでもツイートをしたことだ。新日鉄はおとなしく払え、日本政府は口出しするなとはひどい。国民や自国企業がひどい目にあったら守るのが政府の仕事。新日鐵住金もこんな判決に大人しくしたがったら世界中で笑いものだ。細部にはもっともなこともあるのだが、こんなときにいうことかといった感じ。
経団連会長も「日韓の経済関係に悪い影響が出ないかと心配」とか言っているが、「深刻な影響が出ざるを得ない」となぜいえない。人ごとでなく当事者なのだ。はじめ聞いたとき韓国経団連会長の談話かと思った。
そこからすると、朝日新聞が「国と国の約束覆す判決 韓国「国民情緒法」が与える打撃」と意外に健全。
いずれにせよ、日本がこれを受け入れては、日韓基本条約は改定されたと同じ。本当に韓国を戦勝国にしてしまう。事を荒立てないとダメだのである。
もし韓国の裁判所が新日鉄住金が保有するボスコの株式とかを賠償に充てるとかとなれば、韓国にある日本企業や日本人の財産はいつどうにでもされるか分かったものでない。
いっそ、かつて日韓基本条約のときにしたように、日本官民の韓国にある財産と韓国官民の日本にある韓国企業や韓国籍の人たちの財産とを互いにチャラにしようというくらいの提案をしても良いくらいだ。
日本政府は日本企業や個人に補償し、在日の人たちには韓国政府が補償すればいいことだ。在日の人たちを巻き込むのは気の毒だが、やはり、もっと彼らが韓国側にこういった愚かなことになることがないように働きかけるべきだったのではないか。