5人しか住んでいない蛤浜に、なぜ年間15,000人が押しかけるのか?

丸の内朝大学マネーコミュニケーションクラス2018年秋学期のテーマは「副業と起業」です。第4回のゲストに来てくれたのは、Cafeはまぐり堂の店主は亀山貴一さんでした。

Cafeはまぐり堂Facebookより:編集部

カフェのある宮城県石巻市の牡鹿(おしか)半島にある蛤浜(はまぐりはま)は震災によってさらに過疎化が進み、今済んでいるのは2世帯5人しかいません。ところがこのカフェには、年に1万5千人もの人が全国からやってきます。

亀山さんは、今の仕事をする前は地元の高校の教師でした。失礼ながら、カフェの経営に関しては素人だったのに、立地も決して良いとは言えないお店に、ナゼ全国から人がやってくるのか?起業に必要な「集客」についてとても興味を持ちました。

お話していて感じたのは、起業家にありがちなギラギラした感じがまったくなく、素朴でつい応援したくなってしまう「巻き込み力」があることです。

リーダーには2つのタイプがあって、1つは自分が中心になって強力なカリスマ性で周囲の人たちを引っ張っていく人。そして、もう1つがちょっと頼りなくて、どうなってしまうからハラハラさせて、周囲の人たちが勝手に結束して、お神輿のようにリーダーを担ぎあげていくパターンです。

亀山さんは完全に後者のタイプですが、それがこのプロジェクトを大きな成功に導いた大きな要因だと思いました。

元々起業して世の中を変えようといった大きなビジョンから始めたのではなく、自分の生まれ育った場所を大切にして、それを何とか守りたいというピュアな気持ちで、様々な企画を考えて実行してきた。誰もが自分の生まれ育ち思い出のある故郷を大切にしたいと思っていますが、その気持ちを実現できない人が都会にはたくさんいます。

亀山さんの純粋な想いが、都会にいる人たちの心を捉え、それが口コミによってジワジワと広がっていった。流行りもので人がやってきたのではなく、人の心の根幹に響くコンテンツだったからこそ、サステイナブルな事業の継続ができたのだと思います。

また、日本国内に行ってみたい場所が1つ増えました。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年11月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。