健全なミーハーが「劣化したオッサン化」を防止する

内藤 忍

真偽のほどはわかりませんが、最近の20代の若者は、フェイスブックは使わないそうです。メッセージのやり取りはラインを使い、インスタグラムやツイッターで情報収集すると聞きました。

本日の日本経済新聞朝刊には、動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を運営する中国のスタートアップ企業の北京字節跳動科技(バイトダンス)の企業評価が750億ドルとなり、ユニコーン(巨大な時価総額の未上場企業)で世界最大だったウーバーテクノロジーズの720億ドルを抜いたと報じられています(図表も同紙から)。

ユーチューブ、インスタグラムまでなら、私も何とかついていけますが、TikTokになると、かなりハードルは上がります。2ヵ月くらい前に知って、早速みてみました。15秒のナンセンスな動画が次々と映し出され、中毒性がありますが、どうしても見たいという気にはなりません。

この手の新しいサービスや商品が出てきた時、行動パターンは2つに分かれます。

自分には関係ないとスルーしてしまうか。それども、よくわからないけど、ちょっと覗いてみようと好奇心を持つかです。

この行動パターンの選択が「劣化したオッサン度」を測るバロメーターになると思っています。自分の周りに既にあるものだけを繰り返し利用するのが心地よくなり、新しいものに興味を失ったり、面倒くさいと思うようになる。それは「劣化」の始まりです。

例えは、音楽です。私は、70年代、80年代のプログレが大好きで、仕事をしながら未だに繰り返し聴いています。最近の音楽はほとんど興味なく、新しい音楽に対する好奇心が低下していると感じています。これは危険な「オッサン化」の兆候です!

劣化したオッサンにならないよう、意識して用心しなければなりません。

世の中で流行っているもの、話題になっていることに積極的に関わり、自分でやれることは体験してみる。日本では「ミーハー」と揶揄されるような行為ですが、私は「健全なミーハー」こそ、「劣化したオッサン化」を防止する処方箋だと思っています。

もし、TikTokを知らなかったという同世代の方がいたら、早速アプリをダウンロードして、投稿動画を見てみてください。面倒くさいから後でいいや、と思ったら、それは劣化への危険な兆候です!

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年11月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。