3つの不幸を生み出す「会社という仕組み」

内藤 忍

「会社という仕組み」はこれまで経済的に安定した生活を実現するポジティブなものと考えられてきました。良い会社に入って、組織の中で仕事をして出世していくライフモデルがベストだった訳ですが、この仕組みはどうやら既にメリットよりもデメリットの方が大きなものになってしまったようです。

会社員でいることによって、3つの不幸が生まれているような気がします。

1つは通勤による不幸です。フレックスなど柔軟な勤務形態は広がってきていますが、それでも朝夕の通勤ラッシュは相変わらず大きなストレスです。

しかし、オフィスがある場所に、そこまでして全員が毎日のように集まって仕事をする意味は、実はあまりありません。

これは、工場で大量生産していた頃の労働者の効率的な管理の仕組みの名残りです。全てがネットで完結するとは思いませんが、イメージとしては、週に1回程度会社に集まり、後は自由に仕事をするくらいが丁度良いと思います。

2つ目は、同じ時間に一緒に仕事をする不幸です。

人間のリズムや生活パターンは人によって異なります。朝型の人もいれば、夜型もいます。不規則な人は、朝早く起きて、午前中に集中して仕事をし、午後はのんびり過ごして、仮眠してからまた夕方頑張りたい人もいるでしょう。成果が出れば。このような方法でも問題ありません。

ところが、ほとんどの会社はいまだに、同じ時間に一緒に仕事をすることを強制しています。だから、トイレで寝たり、外出先でさぼったりするのです。

私は独立してから、土日に仕事をし、平日に休むことが多くなりましたが、人と違う時間に仕事をしすることで逆にストレスから解放されました。

3つ目は、仕事の選択ができない不幸です。会社にいると自分に向いていない仕事もやらなければなりません。人事異動や配置転換の希望などもありますが、選択の自由が100%ないのは不幸なことです。

逆に、会社から見ても、明らかに適性がない人材であっても、雇用を続けるしかなく、労使双方に不幸な状況が解消しにくいのです。

毎朝、出会う通勤時の会社員の人たち(写真)を見ながら、これからの会社について、ぼんやり考えたことを書いてみました。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年11月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。