こんにちは、東京都議会議員(町田市選出) おくざわ高広です。
都議のボーナス据え置き案否決(東京新聞 2018年12月18日)
昨年に引き続き、共産党などが共同提案した都議の期末手当を据え置く議員提案条例案が提出されました。東京都では、人事委員会勧告に基づいて職員給与がアップする条例が提出されており、「職員給与に連動して都議の報酬がアップする仕組みはおかしい。だから据え置くべきだ。」というものです。確かに、その仕組み自体を見直すべきとの意見には賛同するものの、では、都議報酬はいくらが適切なのかという本質的な議論へと進むことのない本提案には賛成しませんでした。
※昨年も同様に否決されていますが、提案者は昨年のアップ分をどう処理しているのか…という疑念も残ります。記者会見まで開いて、都民ファを批判した方々が、まさか賞与アップ分を受け取ってるとは思いたくありませんが。
※昨年のやり取りについては、同僚の鈴木都議が詳しく解説していていますので、ご覧ください。
とはいえ、良い機会なので、議員報酬に関する私の考え方を明らかにしておきたいと思います。
まず、選挙とは、
1.候補者が立候補時点での条件の下で、どれだけの成果を残せるか(公約)を示し、
2.有権者は公約への期待度と候補者の経歴や実績、人柄などを総合的に勘案して一票を投じる
仕組みであると考えています。それゆえ、立候補時点での条件である報酬や政務活動費の適正額に関する議論は第三者機関で行うべきであり、検討を進めている議会基本条例の議論とあわせて行うのが筋であると考えています。先般、大阪府では「特別職報酬等審議会」を設置して、府議報酬について議論する意向が表明されたところであり、東京都もならうべきです。
橋下氏を審議会トップに? 府議報酬めぐり、知事が表明(朝日新聞 2018年12月14日)
次に、都議会議員の報酬(額面)について明らかにしますと、都議選前に20%報酬カットされていましたので、立候補時の報酬は、
月額817,600円×12ヶ月 + 賞与3.3ヶ月 = 年額12,509,280円。
加えて、月額50万円×12ヶ月 = 年額600万円の政務活動費が支給されます。
これらで生活費&政治活動費&選挙費用(借金返済+次への積立)を賄うことになりますが、正直に言って、私は赤字です(苦笑)。なお、20%カットした現在、都道府県議員の報酬ランキングでは、愛媛県に次ぐ22位です。
※都議は兼業が認められていますので、その他の収入がある方も少なくありません。
さて、ここからが私の問題意識です。昨年、今年と職員給与に連動して賞与がアップしました。具体的には昨年12月に71,131円、本年6月に59,276円、12月に59,276円、加えてこのたびの改定で59,276円、計248,959円(所得税を除くと198,607円)が立候補時点よりアップしている分ということになります。立候補時の報酬に関しては上述の通りですが、その後の増減、特に賞与に関しては、その働きぶりが反映されるべきであると考えています。では、誰が、どのように私の働きぶりを評価するのでしょうか。それは、私を選んでくださった都民の皆様に他なりません。
○そこで、198,607円(≒200,000円)については、成果主義の考え方を試行導入する所存です。
具体的には、
1.当選後の一年数ヶ月で、私が都政に与えた(と思われる)付加価値と活動内容を提示します。
2.付加価値と活動内容を参考に、都民の皆様から100点満点で採点をしていただきます。
3.その採点の平均点に応じた割合の報酬を受け取ることとします。
例えば、採点の平均点が60点なら、増加分の60%(120,000円)を受け取り、40%(80,000円)を返還(供託)することといたします。実は、昨年の賞与アップ時に後援会の皆様にアンケートをとった結果、多くの方から「全額受け取って、あなたの政治活動に使いなさい」と言っていただきました。本当にうれしいことで、仮に、議員の働きぶりが全ての都民に伝わる仕組みを作ることができれば、報酬に関する議論にも終止符が打てるのではないかと考えており、その試行をする運びとなりました。
私にとって「ふるい都議会をあたらしく」とは、一言でいえば、政治への信頼を取り戻すことです。裏表なく情報公開をし、説明責任を果たしていくこと、そして、議員の働きぶりが都民に正しく伝わり、評価される仕組みを作ることです。この取組がその一助となることを願います。
なお、今回は試行として、FBアンケートを用います。これまでの活動は主にFBで発信していますので、事前にご覧いただけますと幸いです。新たに友達申請をいただく方は、採点希望の旨のメッセージも同時にお願いします。
編集部より:この記事は、東京都議会議員、奥澤高広氏(町田市選出、都民ファーストの会)のブログ2018年12月16日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおくざわ高広 公式ブログ『「聴く」から始まる「東京大改革」』をご覧ください。