「これで、娘と結婚できるようになった」
妻と離婚して、幼い娘の親権者が妻となった友人が、かつて呟いたことがある。
「妻だけが親になり自分は他人になったのだから、法的に自分は娘と結婚できる」
そのように解釈したらしい。
両親が離婚して親権者にならなかったとしても、「親子関係」は消えることはない。
彼の場合も法律上も事実上も、父親のままだ。
親権者というのは、未成年の子の財産を管理する財産管理権と、居所を指定するなど身上監護権を持っているというだけのことで、子が未成年であるための便宜的措置に過ぎない。
子と同居する親に権限を委ねた方が便宜上子の利益になるので、子と同居する親が親権者に指定されるのが一般的だ。
私の友人のように、「親権者でなくなる=親でなくなる」と誤解する人が多いからか、親権の奪い合いが激化することがある。
だから、「親権者」という用語を変えるべきだと私は考えている。
「親としての権利」という用語が誤解を招いているので、「保護権者」にでもすればいい。
編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2018年12月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。