「働くおじさん」より「働かせるおじさん」という選択肢

友人のビジネス書作家で実業家の金森重樹さんの本の中に「働くおじさん」と「働かせるおじさん」という話がでてきます。

NHKの教育テレビに「はたらくおじさん」という番組がありました。1961年4月から1982年3月まで放送された、小学校2年生向けの社会科番組のタイトルです。「はたらくおじさん、はたらくおじさん、こんにちわ~」という主題歌が今でもすぐに思い出せるくらいインパクトがありました。

タンちゃんと犬のペロくんが、気球に乗って空から望遠鏡で覗き、毎回「はたらくおじさん」から仕事を説明してもらう。高度経済成長期に勤労の美徳を教え込むための番組だったのだと思います。

しかし、働くおじさんにばかりスポットが当たり、忘れられているのが「働かせるおじさん」です。自分が働くのではなく、人を働かせることによって、働くおじさんより遥かに高い収入を得ている経営者です。

NHKの教育テレビでは、早く働かせるおじさんになって、働くおじさんを使いこなした方が良いとは、残念ながら教えてはくれませんでした。

同じ「働かせるおじさん」でも、人を働かせるよりも、お金を働かせるおじさんの方が、更に理想的です。なぜなら、人をつかいこなすのは面倒ですが、お金は指示さえきちんと出せばサボることなく、休みの日も働き続けるからです。人を管理する必要がありませんから、マネジメントのための時間を制約から解放されます。

私は働くおじさん(=サラリーマン)を26年続けてから、「働かせるおじさん(=事業家、投資家)」に転身し、人生が一変しました。時間とお金という人生の2つの制約要因から解放されることができました。

でも、その方法はNHKの番組でも、学校でも、社会人になっても誰も教えてくれませんでした。どうやら日本の社会には「働かせるおじさん=悪い人」という偏見があるようです。誰も教えてくれないので、自分自身で試行錯誤し、結局48歳までかかって、ようやく実現できたのです。

「働かせるおじさん」に全員が向いている訳ではありません。「働くおじさん」が好きな人もいるはずです。しかし、その選択肢を若いうちに情報提供して欲しい。そうすれば、私と同じ後悔をする人がもっと少なくなると思うからです。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年12月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。