新年あけましておめでとうございます。
今年も、会社経営に人生設計に、そして日々の生活に役立つようにわかりやすく皆さんと一緒に考えたいと思っています。本年もどうぞ宜しくお願いいたします。
平成の時代をざっと振り返れば、バブル経済、バブル崩壊、就職氷河期、そしてデフレと激動の時代でした。また阪神淡路大震災、東日本大震災を初めとした幾つもの地震や水害などの自然災害によって、多くの人々が被災し、また多くの犠牲者を出しました。政治においては、非自民連立政権の誕生、そして自民党の政権復帰を経て民主党政権が誕生しました。
昭和から平成に元号が変わった年、私は大学を卒業し、社会に出た年でもありました。
その当時はバブル経済の真っ只中で、私も自分の事しか考えていませんでした。平成が改まる今年、以前とは違い、自分の事よりも、むしろ世界の動向が気になっています。ちょうど今、当時とどこか似てる気がします。となぜならば『経済が異常な形で盛り上がり、その後、萎む』という『デジャヴ』を見ていような感覚だからです。
ここ数年、私がブログでも述べた通り、世界は『大転換期』に入っています。
その予兆は、これも以前から伝えてきた通り、世界の選挙結果がありえない結果になったことです。
アメリカ、ドイツ、フランス、ブラジルなどの選挙結果、そしてイギリスの国民投票もそうです。その選挙結果の影響はトランプ大統領をはじめとした、それぞれ選挙で選ばれた人間が政策実行をはじめた時に、影響が出始めています。フランスではマクロン大統領の政策遂行に対して、大反発するデモが起きています。イギリスではEU離脱の期限が迫った今もなお、平和に解決するのかどうかの目処が立ちません。そして何と言っても、聞く耳を持たないトランプ大統領の政策実行です。
アメリカ大統領に選ばれた人がたまたま狂った人なのか、それとも、第二次世界大戦の戦勝国による自由貿易の推進というこれまでの秩序の限界が彼を生み出しているのか。いずれにしても今年以降の国際情勢は、アメリカと中国の覇権争いが軸になるでしょう。覇権争いが始まった以上、そう簡単には終わらないと思います。
この覇権争い、私はトランプ大統領が仕掛けたのではなく、実は中国が仕掛けたと考えています。南シナ海でベトナムやフィリピンが領有権を主張している島を収奪。また尖閣諸島も同様に狙われています。それらは一帯一路という中国の政策によるものです。
中国の覇権主義に気付いたアメリカのトランプ大統領が、『アメリカファースト』とアメリカ一体になって、その阻止に動きはじめました。その結果、アメリカは中国からの輸入品の半分に高い関税を掛け、中国の株価は大きく下がりました。それを成果とみていたアメリカですが、アメリカの株価も大きく下がりました。これからの実体経済はさらにその影響が出てくるでしょう。この争いを収めるには米中合意しかないと思います。
しかし、アメリカ経済が萎んだとしても、トランプ大統領は中国や誰かのせいにして方向転換することはないと思いますし、『肉を切らせて骨を断つ』。もしかすると、最初からそのつもりなのかもしれません。そうなると、米中共倒れの危険性がありますし、その場合は米中による他国の多数派工作となるでしょう。その危機を回避する為に話し合う場はもちろんあります。しかし、昨年行われたG7、G20、APECのいずれの場でも効果的な解決策が打ち出せないまま終わりました。
今は危機を回避することができない状況になっています。
今後さらに幾度かの危機があり、そうして初めて新しい対応を生み出すことになると私は思います。まず、その試金石になり得るのが、今年6月に大阪で開催されるG20です。ここでリスク回避について話し合いが行われ、合意に至るか、それとも、米中のつばぜり合いのままリスクが増えて終わるのか。日本がその舞台であり、安倍政権にとって重要な局面になると思います。
今現在『大転換期』にあるのは間違いありません。この転換後に世界がどうなるかについてはわかりませんし、今年見えるものでもないでしょう。さらに言うと来年見えるかどうかもわかりません。だから、いつ、何が起きても慌てないようにしましょう。
我々は今、大転換期の中にあります。その為にも、地に足をつけて生きていきましょう!
編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年1月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。