各社によって条件は異なるが、自分で土地を提供し店舗を用意したオーナーは粗利の約2~3割をロイヤリティとして支払う。本部が用意した土地と店舗を借りるオーナーは粗利の約5~7割程度のロイヤリティを支払う。
コンビニの1日の売上は50〜70万円と言われている。立地条件や規模によって異なるが、1ヶ月辺り1500~2000万円程度ではないかと考えられる。シミュレーションしてみよう。
<収益モデル例>
○契約タイプ—本部が用意した土地と店舗を借りる
○1ヶ月の売上—1500万円と仮定
(1)粗利
1500万円(売上)-1050万円(原価70%と仮定)=450万円
(2)フランチャイジー収入
450万円(粗利)-270万円(60%と仮定)=180万円
(3)店舗利益
180万円(フランチャイジー収入)-営業費(人件費+光熱費+廃棄・処分品負担)
営業費は人件費が100万円程度、光熱費20万円(規模や立地によって異なる)。廃棄・処分品は、弁当、おにぎり、おでん、揚げ物、中華まん、惣菜などそれなりの量が出る。飲み物にも保温期限があるから廃棄がでる。1日の廃棄金額は2万程度と想定される。廃棄分の仕入れはオーナーが負担することになる。
人件費100万円+光熱費20万円+廃棄・処分品60万円(1日2万円と想定)=180万円(営業費)。オーナーは機会損失をしないためにイベント商品に注力することになる。クリスマス、バレンタイン、ホワイトデー、節分。利益を計上するには、売上をアップするか、営業費を下げるか、限界利益を変えるしかない。これは企業活動の基本である。
デパ地下、スーパー、飲食店でも大量廃棄の問題がある。メーカーが持ち込む食品サンプルも大量に廃棄されている。これは、新フレーバーや新商品の店頭マーケティングのこと。期間限定商品といえばわかりやすい。コンビニの恵方巻きばかりがやり玉に上がっているが、この機会に広く議論してはいかがだろうか。ただし、この問題は簡単ではない。
PS
今年の恵方は甲(きのえ)で東北東。私はコンビニで恵方巻きを毎年買っています。農水省の指摘はごもっともですが恵方巻きの計画生産には無理があります。買わなければ廃棄はもっと増えます。筆者11冊目の著書『即効!成果が上がる文章の技術』(明日香出版社)は発売2週間で3刷と好調です。ご支援いただいた皆さまに御礼申し上げます。
尾藤克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員