教育「無償化」の前に、困難な家庭環境のお子さんへの支援が必要

昨日は県北の津山市に行かせていただきました。
父の地元である津山市。私もひいおばあちゃん関係の、津山市の三井産婦人科で「おぎゃあ」と生まれました。
小学校のころよく祖父と言っていた駅前の映画館がすでになくなっていることは、悲しいですが、風情と自然の豊かな良い街です。

さて、昨日は教育の話をお聞きすることが多かった。
学力テスト結果を学校評価につなげることについて。
すでに小学校から始まっている道徳の教科化について。
などなどです。

私自身も、教育には思い入れがあります。18歳選挙権を契機に、主権者教育を広めていくために様々な活動をしてきました。

文部科学省・総務省が共同で作成した高校生向けの政治参画に関する副教材執筆委員に入り、全国約90の中高で出前授業を行い、シティズンシップ教育の推進なども進めてきました。私のこれまでの活動についての詳しくは、またの機会に書きます。

教育はすごく大事です。
資源がなく、広い国土もない中で日本の大きな強みは人。
学校教育だけでなく、地域・家庭との連携が大事ですし、また大人になってからでも常に学び続ける環境が広がることも必要です。

近年、「無償化」「奨学金」などいろいろと注目をされてきている分野かなと思います。
政治が教育、特に小中高での教育に関して大事にしなければならないことは、「家庭状況による違いを減らし、社会へ出るまでの力を蓄えること」です。家庭の年収や地域などによって、一度きりしかない貴重な少年青年期の学びが変わってはいけない。

しかし、残念ながら現状は大きく違います。
これまでの全国学力テストの結果によれば、明確に世帯収入と学力の関係があります。

世帯収入が高いほど、学力が高いということです。
たとえば、2017年のテストの小学6年生の数学を見てみます。
年収が200円未満は正答率が約35%であるのに対して、年収が1200万を超えると約60%と大きな開きがあります。

また、学力だけの話より広がりますが、児童養護施設出身者の大学進学率は約10%と、全国平均約53%の全国平均のなんと5分の1です。

写真AC:編集部

世帯の状況で子どものこれからが大きく変わってはいけない。
等しく社会へ出るための準備・経験・努力をすることができる状況を整えることは必須です。
子育てや教育の無償化、高校生大学生への留学支援なども必要です。目指すべきです
でも、まず行うべきは苦しい家庭環境のもとにいる子どもの育つ環境を改善すること。
そして、子どもの将来の可能性が狭めないことです。

確かに、「無償化」といえば、響きはいいかもしれませんが、多くの子育て世代に響くのでしょう。しかし、私は無償化にかける予算があるのであれば、まずは困難な状況にある子供の支援にしっかりと予算をかけることが必要だと思います。

NPO代表だった前職の際に、児童養護施設や、被災地の子供を支援しているNPOの友人からいろいろな話を聞きました。また、児童養護施設のお子さんにワークショップをする機会も得て、職員さんや支援者のみなさんともいろいろと話しました。本当に大変な状況。

まずは、同じスタートラインに子供が立てるように、支援をしなければなりません。

関連して、うれしい話を一つ付け加えます。
今日は津山市の秋久けんし議員に連れて行っていただき、町内会の新年会などを何件か回らせていただきました。
とある会場で教育・子育ての話になりました。

「人口減少期だからこそ、次の時代を作り育てる若者支援こそしっかりと行いたい。そのような思いを持っている方は世代をこえているはずでしょう」
と私からお聞きしました。

年配の方からうれしい答え。
「わしは、孫もおらんで教育や子育てには全く関係ない。だけど、支援は必要。そのために多少わしらの負担が増えてもやみくもに反対はしない。政治がきちんと使い方を示して公開してくれればね」
とのこと。
本当にうれしかったですね。政治はこういう方に信頼をされる政策を打ち出し、こういう方とともに社会を次世代に残していくべき存在であるべきだなと再認識。

いろんな方の声を聞きながら進んでいきます。
引き続き頑張ります!

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編集部より:この記事は、立憲民主党参議院岡山県選挙区第1総支部長、原田謙介氏(NPO法人YouthCreate前代表)のブログ 2019年1月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は原田氏のブログ『新しい時代に新しい政治を』をご覧ください。