沖縄県民投票。学校で模擬選挙のテーマとして活用してみては ⁉︎

2月24日に実施される沖縄県民投票。「辺野古への米軍基地建設のための埋め立て」の是非について投票が行われます。
日本全国から注目を浴びている住民投票。沖縄県での注目度や、議論は相当に大きいものがあるのではと思います。

そんな中、以下のニュースを先日見つけました。

沖縄県民投票:学校の模擬投票、問題ないが…「懸念」 教育庁が県立校に通知(沖縄タイムス)

記事内には

緊急連絡票と題した通知には「(県民投票の)投票結果が確定する前に生徒会主催の模擬投票の実施を計画する事案等が報告されている」と注意を呼び掛ける記述があり、生徒会の取り組みなどを再確認するよう依頼している。
また通知の参考欄では、公職選挙法に「人気投票の公表禁止」の規定があることを挙げ、「学校で選挙期間中の模擬投票は有権者の投票行動に影響を与える懸念があるためふさわしくない」としている。

との記述があります。

この教育庁の通知は非常に残念です。県を2分するかもしれない住民投票において、学校や生徒が変な状況に巻き込まれることのないようにとの懸念の結果の通知かと思います。

しかし、せっかく生徒が自分の県のことを意識する大事な機会を逸するような通知は出さないでほしいです。

しかも、県知事の肝いりで進めてきた県民投票にたいして、同じ県の組織である教育庁が後ろ向きの通知をだすことは、方向性の不一致と見受けられます。(それが教育庁や教育委員会の独立性だとも言えますが)

そして、なにより問題なのは、まるで、模擬投票を実施することが公職選挙法により禁止をされているような書き方となっていることです。公職選挙法においても、学校教育の規則においても、「実際の選挙を題材とした模擬選挙を実施することには何も問題ありません」

実際の開票よりも前に模擬選挙の結果を公開することや、政治的中立を担保しない形での授業の実施はたしかに禁じられています。しかし、これらの禁止事項に触れない形での模擬選挙は文科省・総務省から奨励をされており、貴重な学びの機会として学校現場で進められてきています。

私は、これらのルール作りに2015年にかかわりました。
2016年の18歳選挙権導入に当たって、文科省・総務省が「主権者教育に関する副教材」を作成し全高校生に配布をされてきています。そして、この副教材の執筆メンバーとして私も議論や作成にかかわりました。

冊子の内容を少し載せておきます。

さらに、今回のような”住民投票”に関しても、先生向けの副教材の中で以下のようなQ&A項目を作りました。

政治的に対立する見解がある現実の課題の中で,住民投票が行われることとなっている問題について,授業で事前に投票させることは指導方法として考えられることです。

上記の記述が、文科省・総務省の正式見解です。
「住民投票を題材にした模擬投票やっていいよ!!」ということです。

もちろん、地域に密着したテーマであるからこそ、配慮は必要であるとのことも言及しています。冒頭にも書いたように、今回、沖縄県の教育庁は、混乱や生徒への悪影響を避けるために、模擬投票の実施に関して後ろ向きと捉えられる文章を出したのだと思われます。しかし、言葉足らずな内容により、そもそも模擬投票の実施自体が禁止だと認識してしまう学校も出てくる書き方となっていた部分は納得いきません。

また、むしろ学校や生徒に悪影響が起こらないような模擬選挙のプログラム作りなどを進めるなどを考えてみてもよかったのではないかと思います。

繰り返しになりますが、実際の選挙をテーマにした模擬選挙は行えます!そして、これからの社会を作る中高生が、県の今後を考える機会を作ることは主権者教育において重要です。

いろんな方の声を聞きながら進んでいきます。
引き続き頑張ります!

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編集部より:この記事は、立憲民主党参議院岡山県選挙区第1総支部長、原田謙介氏(NPO法人YouthCreate前代表)のブログ 2019年2月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は原田氏のブログ『新しい時代に新しい政治を』をご覧ください。

【編集部からおしらせ】沖縄基地問題に関する原稿を募集中です

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