こんにちは、広島市政を目指して安佐南区から挑戦予定のむくぎ太一(椋木太一)です。
プロ野球は2月1日にキャンプインし、まさに、球春到来!!といったとこです
昨季の日本シリーズ終了翌日から、「プロ野球ロス」に陥っていた私、椋木太一としては、ようやく正月がやってきた!!という感じでいます。
今季の春季キャンプでの注目選手と聞かれれば、やはり、フリーエージェントで読売巨人軍に移籍した丸佳浩選手の人的補償によって、広島東洋カープにやってきた長野久義選手でしょう。(※動画はキャンプ初日朝、球団公式Instagramより)
長野選手については、いまさら説明不要の超一流選手です。今年1月に人的補償が長野選手と発表されたことを知った時、「まさか、長野がプロテクトされてないとは!!」と腰が抜けるほど驚きました。一方で、「ほほう、これは、(大竹寛の人的補償で獲得した)一岡以上にラッキーでしょ」と、ほくそ笑んだ広島ファンは多かったはずです。
前述のとおり、長野選手の野球の実力は折り紙付きです。年齢的な伸びしろの少なさはありますが、そのほかは、丸選手となんら引けを取らない選手だと思います。今回の人的補償で広島にとって「補強」となりうるのは、その人柄といえます。あのダルビッシュがうなるほどの、球界屈指の「人徳者」として知られる選手なのです。
その長野選手を評価するキーワードに、「配慮」「気遣い」「マメ」といったものが挙げられます。とにかく、気配り上手なのということなのです。歓送迎会などの幹事は買って出る、支払いは豪快に、他の選手に関するコメントは極力避ける、などなど枚挙にいとまがありません。
とはいえ、正直なところ、巨人時代の長野選手はどうも、「人間的」な部分が見えにくいところがあると感じていました。私が読売新聞記者時代、試合後の東京ドームの通路で接したことはありますが、勝ってヒーロー級の活躍をした試合後ですら、まるで自分のせいで負けたかのような厳しい表情で球場を後にしていました。担当記者らの間でも「頑張ります」のテンプレートしかコメントが出てこないと苦労しているという話を聞いたこともあります。
そこは、球界の盟主を自認する球団の一員です。厳しい規律の中で戦っているのだろうなと慮ってみてはいましたが、少々、物足りなさを感じていました。いわば、仮面をかぶっているように見えていたからです。
ところが、広島にきて、今までの長野選手への見方は180度変わりました。入団記者会見で広島東洋のイメージカラーである、赤いネクタイで登場するや、饒舌とはいえないまでも、今までとは違って「自分の言葉」で、プロ野球選手・長野久義を表現して見せたのです。これには、広島ファンのみならず、広島市民の心をわしづかみにされたことでしょう。私、椋木太一もその一人です。
これには、プロテクト漏れして自分の意思とは無関係に広島に来させられたという、悲哀に満ちたそのプロセスが、いわば「判官びいき」となって、長野人気を底上げしているのかなと、少し冷めた目で見ていました。実際、FAで巨人に移る丸選手に対して、結構厳しいバッシングを受けていたことから、その裏返しなのかなとも思っていたからです。
しかし、前述の入団会見やその後の報道等で、長野選手に対して「憐み的」な目で見ていた自分を恥ずかしく思いました。まるで生え抜き選手のように背番号5のユニホームが似合い、巨人時代にはあまり見かけなかった笑顔を紙面やテレビ等で見るにつれ、仮面を外した本物の長野久義に触れることができたような気がしたからです。キャンプ初日の声出しで「野球以外のことは教えられるのでなんでも聞いてください」なんて言うことは、東京時代はなかったのではないでしょうか。
一部には、FA権を行使して1年で巨人に戻るとかなんとか言う意見もあるかと思います。ただ、今季は間違いなく、広島東洋カープ・長野久義なのです。背番号5のレプリカユニホームは残念ながら、入荷待ちとなってしまってますが、その「愛され力」はぜひとも見習いたいところです。「配慮」「気遣い」「マメさ」――。プロ野球と政治、世界は全く違いますが、学ぶべきところは多いです。
さて、今月下旬からは、オープン戦が始まります。背番号5の活躍が今から待ち遠しく思います。
むくぎ(椋木)太一 ジャーナリスト、元読売新聞記者
1975年、広島市生まれ。早稲田大学卒業後、出版社勤務などを経て2006年、読売新聞西部本社に入社。運動部記者時代はソフトバンクホークスを担当し、社会部では福岡市政などを取材した。2018年8月に退職し、フリーランスに。2019年4月の広島市議選(安佐南区)に立候補予定。公式サイト。ツイッター@mukugi_taichi1