韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相は25日、スイスのジュネーヴで開かれた国連人権理事会で演説した。
読売新聞によれば、康氏は
「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した2015年の日韓合意を念頭に、「これまでの取り組みには、被害者中心の対応が大きく欠けていた」と述べ、慰安婦問題は未解決との認識を改めて示した
とされ、また認定された元慰安婦の生存者が23人に減ったことに関して、
「全員が80代後半から90代前半になった。生涯にわたる苦痛を正当に補償されないまま去っていくという現実は、悲しく、非常に腹立たしい」
と述べ、女性への性暴力に関する国際会議を今年開催する考えを明らかにしたという。 この発言はネットでも波紋を広げており、アゴラ執筆陣の渡瀬裕哉氏は、日本政府側の「やられ放題」を懸念。
加えて、韓国に対し「丁寧な無視」というのは悪手だと論じた10日の記事の通りになってきたと指摘しつつ、欧米での世論戦では勝ち目のない「女性の人権」以外の新しい論点設定が必要と述べた。
またネット上には、「被害者は日本」「加害者は〇〇新聞」などの意見の他に、渡瀬氏のような日本政府や外務省の対応への批判もみられる模様。
保守系動画チャンネルで知られるKAZUYA氏は、「最終的かつ不可逆的な合意を平然と蔑ろにするとは正気じゃない」と韓国政府側を非難した。
一方、「これが現代のグローバルスタンダード」との指摘も。
なお康外相の演説を受けて、日本の菅義偉官房長官は26日午前の記者会見で、2015年の日韓合意は「国連を含む国際社会からも高く評価されたもの」としながら、合意の着実な実施を韓国側に申し入れていることを明らかにした。