スタバに必要なイノベーションは「待ち行列の解消」

内藤 忍

スターバックスが中目黒にオープンさせた、世界5カ所目の高級店「スターバックス リザーブ ロースタリー 東京」が大人気になっているようです。

スターバックスの高級化路線の戦略店舗ということで、ドリンクは900円以上からとかなり強気。コーヒーだけでなく、フレーバーティー、ビール、ワイン、カクテルなどもあるようです。中目黒と言えば、目黒川の桜が有名です。これからお花見のシーズンになれば、観光名所として更に盛り上がるはずです。

このような店舗のイノベーションを進めるのはとても良いと思いますが、一方で既存の店舗の解決すべき問題は、写真のような注文待ちの行列です。

私が利用している都心部のお店には、混雑時も稼働しているレジはたった2台しかありませんでした。朝の通勤時間帯、ランチタイムは10人以上が行列を作って、順番に注文を待っています。

長い行列ができていると、私だけでなく何人かの利用者も諦めて、お店に入るのをやめてしまいます。機会損失が発生しているのは、誰が見ても明らかです。

レジの数を増やすことも解消方法の1つですが、定番のコーヒーをスターバックスカードで購入する人だけの専用レジを作るのも一法だと思います。複雑な注文をあれこれ悩んで行い、現金を財布から出して精算している人がいることで、スピーディにドリンクをサッと手に入れたい人が待っている状態が解消できるからです。

また、UBER(ウーバー)のようにアプリで注文して、クレジットカードあるいはプリペイドでチャージした金額から決済できるようにすれば、レジは不要になります。待ち時間が表示されれば、余裕を見て注文して、お店に到着した頃にピックアップする。そんな利用法が可能になります。

中国では、以前こちらに書いたように国内の新興チェーンがアプリによるイノベーションでスターバックスを猛追し、スターバックスが苦戦しているというニュースも入ってきています。

混んでいる時間帯を敢えて避けて利用しなければならない状態がどうやって解消されるのか。いつでも、待たずに美味しいコーヒーが手に入るイノベーションを期待したいと思います。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2019年3月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。