今回は『残業ゼロのノート術』(きずな出版)を紹介したい。著者は石川和男さん。建設会社総務経理担当部長、専門学校講師、税理士、プレゼン養成学校主宰、セミナー講師など、複数の仕事を掛け持つサラリーマン。
一番嫌な仕事を先に片づける
さて、自己啓発の名著『カエルを食べてしまえ!』(ブライアン·トレーシー著、ダイヤモンド社)に書かれているエピソードである。もしあなたが仕事でカエルを食べなければいけなくなったら、どうすべきか考えてもらいたい。
(石川さん)「だれもカエルなんて飲み込みたくはありません。後回しにしたくなります。でも、『カエルを飲む』という一番嫌なタスクが残っている状態では、ほかの仕事に集中することなどできません。トレーシーの答えは『まっさきにカエルを飲み込んでしまえ!』というものでした。朝イチで嫌なことを済ませてしまえば、気持ちが落ち着くからです」
(同)「年末の大掃除、トイレ掃除から済ませてしまうと後は楽です。嫌な上司との打ち合わせを先に済ませると後は楽です。苦手な企画書から先に作成すると後は楽です。トレーシーが言うように、嫌なことが残っていると、気持ちがモヤモヤしてしまいます。落ち着いて仕事に集中するためにも、一番嫌なことをさっさと片づけるやり方はお勧めです」
言うは易く行うは難し。英語でも、「Easier said than done.」なんて言われている。決して簡単ではないが、一番嫌な仕事を先に片づけると気が楽になることは間違いない。
2019年4月から、罰則付きの残業規程がスタートする。会社的にも、世間的にも、いまや残業をして長時間働くことは評価されない時代です。むしろ今後は「残業代」がなくなり、代わりに副業が解禁され、多くの人が複数のところから収入を得るのが当たり前になる「複業時代」が到来する。残業なんてしている「ヒマ」などない。
手帳の使い方を考えてみる
手帳の活用範囲を考えてみよう。TODO(タスク)リスト・メモのほかにも、年間目標、ライフログ、日記、家計簿、健康管理なとに使っている人も多い。手帳は今では、単なる仕事の予定管理だけでなく羅針盤になりつつある。
手帳の羅針盤とは、設定した目標に対する行動計画を作成、スケジューリングし軌道修正を図りながら実行に移していくこと。さらに、自分が進む大きな方向性を指し示すことが可能になる。手帳を活用して、将来のありたい理想像、ビジョンを描き、そこに向かって長期、中期、短期の目標を定めれば未来のページが作成できる。
期末に向けて、大型文房具店の手帳フェアが開催される。バリエーションも豊富で、その種類の多さに圧倒される。この機会にちょっとした工夫を加えてみてはいかがだろうか。本書を読むことでそのようなヒントが見つかるかも知れない。
尾藤克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員
<筆者12冊目の書籍、4月18日発売>
『波風立てない仕事のルール』(きずな出版)
[本書の評価]★★★(74点)
【評価のレべリング】※標準点(合格点)を60点に設定。
★★★★★「レベル5!家宝として置いておきたい本」90点~100点
★★★★ 「レベル4!期待を大きく上回った本」80点~90点未満
★★★ 「レベル3!期待を裏切らない本」70点~80点未満
★★ 「レベル2!読んでも損は無い本」60点~70点未満
★ 「レベル1!評価が難しい本」50点~60点未満
星無し 「レベル0!読むに値しない本」50点未満