日産自動車前会長、カルロス・ゴーン被告(特別背任などの罪で起訴)の保釈が5日認められた。この日は10億円の保釈金納付がされず、実際の保釈は6日以降の見通しとなったものの、3度目の保釈請求が認められたことは大きな変化だ。そして保釈を勝ち取った3回目の請求が、新たな弁護人となった弘中淳一郎弁護士による主導だったことで、その手腕が再び注目されようとしている。
ロス疑惑の故・三浦和義氏、障害者郵便制度悪用事件の村木厚子元厚労次官、陸山会事件の小沢一郎氏(現自由党代表)をはじめ、数々の難事件で無罪判決を勝ち取ってきた「無罪請負人」の異名をとる弘中氏。ネット上でも“弘中マジック”への評価が急上昇した。
ゴーン被告の保釈請求は、東京地検特捜部元部長でもある大鶴基成弁護士が主任弁護人をつとめていた過去2回は却下されていた。大鶴氏から交代した弘中弁護士は前日4日に記者会見。ロイターによると、外部との連絡をとらないよう監視カメラを自宅内に設置するなど異例の提案をし、「そう遠くない時期に保釈されると思う」と自信を示していた。結局、東京地裁はその見通しどおり、保釈を認めた。
ネットでは保釈を勝ち取った弘中氏への評価が急上昇。
元検事の前田恒彦氏は速報段階で「かなり具体的で実効性の高い条件を裁判所に提示し、説得に成功した」といち早く評価。
週刊朝日元編集長の山口一臣氏は「さすがというか、やっぱり凄い、無罪請負人だけのことはありますね」と絶賛。
他にもネット上では、「公判がどうなるか」など裁判の行方に関心を集めていた。
ただ、過去に弘中氏と対峙した経験のあるジャーナリストからは批判的な見解も示されていた。