宇佐美です。
自民党都議の川松さんのラジオに出るので、その前に築地の跡地利用についての問題意識を簡単に整理しておきました。
・先日都議会で築地跡地利用に向けて、5400億円かけて市場会計から一般会計に移す予算が可決されたが、これ自体は跡地開発にあたって手続きとして必要なものではある。
・問題は
①「築地跡地をどう利用するか?」という点について、まともな議論がなされていないこと
②小池知事の過去の発言および都民ファーストの会の公約との整合性が取れていないこと
の二つだ。
・先に②に関してだが、小池知事および都民ファーストの会は始めから築地での卸売市場の再整備ができないことを知っていながら、選挙のためにそれを匂わせる「築地を守る」との公約を掲げて市場関係者および都民を意図的に騙したことは明らかなのだから、この点をさっさと認めるべきである。
・特に都民ファーストの会は市場関係者に築地市場が再整備されるかのような説明を繰り替えした小島敏郎元東京都顧問と縁を切るべきだ
・私は「嘘をついて人を騙してはいけない」ということは幼稚園でならったが、彼らの倫理観はどうなっているのだろう??
・続いて①の跡地利用についてだが、現在東京都は「年間160億円で築地跡地を民間に貸し出す」としているがこれは絵に描いた餅で、具体的な開発計画が明らかになっていない。再開発素案なるものは概要のみで、またその決定過程もほとんど説明がなされていない。(参照:東京都都市整備局「築地まちづくり庁内検討会」)
・仮に跡地を利用する企業が年間160億円の賃料を払うとしたら、築地跡地の再開発で年間2000~3000億円のキャッシュフローを作る必要がある。国際展示場だけではそれはとても無理なので、カジノを開発することが不可欠になる。この点について小池知事も都民ファーストの会も説明していないのはフェアじゃない。
・おそらくまた後付けで適当なことを言ってごまかそうとしているのだろうが、小池知事なり都民ファーストの会のこうした姿勢は選挙前にいっていた「情報公開」とはほど遠い。こうした都知事と与党の”ブラックボックス”で政策を決める体質は非難されてしかるべきだ。
・個人的には築地の跡地利用は、オープンな会議体で収益性も含めて議論され直すべきと考える。おそらく賃貸での利用は権利が不安定すぎて実現性がないので、売却(少なくとも地上権売却)に切り替えざるを得なくなると思う。
ではでは今回はこの辺で。
30分で書いたので雑な議論ではありますが、ご容赦を。
なお新著ではカジノに関しても言及もあるのでよろしくお願いします。(結局宣伝)
編集部より:このブログは「宇佐美典也のblog」2019年3月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は宇佐美典也のblogをご覧ください。
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