「結婚後は専業主婦で」という提案に彼女が揺れる理由

こんにちは!黒坂岳央(くろさかたけを)です。
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ガールズちゃんねるの記事、「専業主婦でもいいよと言ってくる彼氏」がしらべぇで取り上げられ、話題になっているようです。ソニー生命の意識調査によると、働く女性の4割が「本当は専業主婦がいい」と言っており、しらべぇ編集部調べでは64.8%の男性が「結婚後も女性に働いてほしい」と答えており、専業主婦に対する男女の違いが現れています。

そんな中、男性の方から「結婚後は専業主婦OK」という少数派のオファーですから、本来は手放しで喜ぶべきなのかもしれません。しかし、これには手放しで喜べない事情があったのです。

手取り20万で専業主婦はできるのか?

ガールズちゃんねるの投稿者は、次のように悩みを打ち明けています。

結婚を前提にお付きあいをしてる彼氏がいます。現在、主はアパレルの正社員です。

彼は結婚したら専業主婦でいいよと言ってくれています。そんな事言ってくれるからかなりお給料をもらってるのかなと思ったら手取り20万でした。

なぜ、専業主婦でもいいよと言えるのか…彼の金銭感覚に不安を覚えました。

結婚前に彼氏に専業主婦でもOKと言われた皆さん、彼氏の収入は十分にありましたか?また、専業主婦になりましたか?

主は結婚後も働こうと思ってます。

引用元:ガールズちゃんねる「専業主婦でもいいよと言ってくる彼氏」

ネットでよくもめているケースとしては、「男性が十分稼いでいるのに、専業主婦をさせてくれない!」という女性側の不満ですが、このケースはどうやら違うようです。その逆に、「男性が専業主婦でいいよと言うも、現実的ではないと感じる女性」という構図なのです。

このトピックでは大きく賛成派と反対派に分かれており、「手取り20万円では生活できない」という人もいたり、「自分はまさに手取り20万円の旦那と結婚したが問題はない」という声も見られます。

転職ハック「 月収20万円の手取りは? 理想の家計簿・大公開」で紹介されているモデルでは次のようなものです(画像は同サイトより引用)。

この事例は手取りではなく、総支給20万円のケースですが正直、貯蓄額はカツカツといったところでしょうか。

手取り20万円でも専業主婦は実質可能、しかし現実的には相当に厳しいというのが答えでしょう。

「結婚」に対する男女の気持ちの違い

結婚に対しては、男女で大きく意識の違いが現れます。

私自身も過去の経験でそのように感じました。20代後半になって仲のいい友達から、恋愛相手の一歩手前の関係になると、「結婚した後のお金の話」が相手の女性からよく出てくるのです。当時の私はマネーに対してのリテラシーも高くなく、漫然と「結婚はいつまでも仲良く、楽しく過ごせるならそれでいい」という感覚でいたのです。

しかし、相手の女性がとても具体的にマネープランを持っている事に、女性は現実的な感覚を持っていることを痛感させられたものです。

男性はロマンチスト、女性は現実主義者というのは、結婚の時に最も色濃く出てくるものと思います。おそらく、脳の構造の違いによる性差からくるものでしょう。今回のトピックでは、男性側が相手の女性が喜ぶオファーをしたつもりでしたが、現実的には厳しいと感じた女性が不安を覚えたというケースです。

結婚は価値観を一致させるところから始まる

私は結婚とは、相手と価値観を一致させるところから始まるものと考えます。元々はまったくの他人同士で、性別による違いも大きい相手と生涯ともに過ごすことを前提にしていくわけですから、両者のギャップを埋めていく作業が絶対的に必要です。

私も今の奥さんとは目が合うだけで、相手の気持ちが全部伝わるような信頼関係を築くことが出来ました(私の独りよがりではありません 笑)。しかし、そこに至るまでには本当に長い時間を要したものです。

仕事:私はサラリーマンでキャリアを積みたい。奥さんは起業して2人で夢を追いたい。

お金:私はとにかく節約して貯金をしたい。奥さんは資産運用で効率的に増やしたい。

子供:私は結婚後はすぐに3人位の子供がほしい。奥さんは数年間夫婦2人で過ごす時間がほしい。

このように真逆と言えるほどの価値観の違いがありましたから、奥さんと出会って9年間はずっと話し合いばかりをしてきた感覚です。そして、問題は価値観を一致させることが出来たとしても、人生の置かれた状況は刻一刻と変わっていくということです。そんな時、またゼロベースでお互い感じることを話し合って、ギャップを埋めていくわけですが、話し合いが出来ない相手だと破綻してしまいます。

ガールズちゃんねるのエントリーでは、女性が相手の男性への経済感覚の差異の大きさに不安を感じてしまったということですが、話し合いができる相手であればその気持ちの差を埋めていくことができるでしょう。手取り20万円では実質的な生活レベルが独身時より落ちてしまい、将来性に不安を感じるなら女性が働くという選択肢もあります。実際、このトピック主は働くつもりがあると言っています。

結婚前は差異があることが問題ではなく、差異を認めあい、話し合いができる事が重要なのです。

黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。