「言わなくていいことを、言って損する」をやめる技術

「こんにちは!黒坂岳央(くろさかたけを)です。
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「口は災いの元」とはよく言ったもので、人間関係のトラブルを目の当たりにする度にそう感じます。私も昔は、相手に話を伝えた直後に「しまった!言うんじゃなかった!」と思うことがよくあり、ずいぶんと「口」で災いを呼び寄せてしまったものです。人生経験を積んだことで、最近は相手の状況をよく考えて発言するようにしたので、災いはなくなりました。

世の中には「それ、言う必要ないよね?」と感じるようなことを発言する人がいます。このテーマで思うことをお話します。

言っていいこと、言わなくていいこと

ずばり、言わなくていいことというのは、「自分にも相手にもメリットのないこと」に他なりません。大事な講演に登壇する際、シャツがはみ出しているのを認めて、「シャツ出ていますよ」とそっと耳打ちするのは相手への優しさであり、また相手も大勢の前で恥をかかずに済みますからその行為にはメリットがあります。

しかし、飲み会の場で「こいつ、昨日会社で鼻毛が出たままだったんだぜ」というのは「言わなくてもいいこと」にあたります。それを言ったところで、相手は傷つくだけです。さらに言った本人にもメリットがありません。ただただ、笑いものにするという低俗な行為ですから、言うことで「この人デリカシーないな」と言われた本人も感じるでしょうし、周囲の人間の中にもそう思う人は必ずいます。

言っていいことと、言わなくていいことの違いを理解しておくことで、余計な災いを招かずに済むのです。

言わなくていいことを口に出す人の心の中

これまでいろんな人と関わってくる中で、「そんなことをわざわざ口に出す必要ないのにな」と感じるようなことを言う人とお会いしてきました。私は結構、言葉には敏感に反応してしまう人間ですから、そのようなことを言う人の心の中を考えたことがあります。そして行き着いた答えは次のようなものです。

1. ストレスをためたくない
2. マウンティング目的
3. 八方美人になりたい

というものです。

1. ストレスをためたくない

人間は感情を口に出し、周囲の共感を得ることでストレスを発散することができます。思っていることをなんでもズバズバ言ってしまう人は、その言葉を聞いた相手がどう感じるのかを考慮せず、自分がストレスを発散することを目的に言わなくてもいいことを言ってしまうわけです。

自分はそれでストレスをためないで済むかもしれませんが、相手からはデリカシーのない人だと敬遠されてしまいます。

2. マウンティング目的

世の中には相手を否定することで、自分が優位に立ったと錯覚する感覚の持ち主がいます。相手が何を言ってもとにかく否定から入る、という具合でしょうか。マウンティングが目的になっていますから、相手の弱みに付け込んで「あなたはこんなところがあるよね?あれはよくないぞ」といった具合に面倒な説教をしてくるタイプです。

こういうタイプも、自分が優位に立つことが第一義的になっており、言わなくてもいいことを見つけ出して相手の眼前に突きつけるのです。どちらかといえば、中高年音おじさんに多いタイプのように思えます。

3. 八方美人になりたい

これは中高年の女性に多い傾向があるように感じます。相手の顔色を見て、本音ではそう思ってもいないことを言ってしまうわけです。思ってもいないことをいって褒めるのは、相手の信用を失ってしまうだけです。八方美人をやっていると、「自分が不利になることを他の人にも言っているのでは?」という疑心暗鬼が生まれてしまいます。

このように言わなくてもいい人にはいろんなパターンがあります。

5分先の未来を想像してみる

結論的には、言わなくてもいいことをわざわざ口に出すことはしないほうが良いということです。

ついつい、相手に言ってしまって「ああ、また言っちゃった」と後悔を重ねる人にはなかなか難しいことですが、言いたくなっても5分先の未来を想像することで、「これを言うと自分も相手もデメリットを被る」と冷静になることが出来るでしょう。そう、結局ついつい口に出して災いを招いてしまう人というのは、未来を想像する力に欠けた人なのです。

想像力は訓練と経験で養うことができます。口に出してしまう前に、5分間先の未来を想像してみるということを習慣付けると良いでしょう。そうするだけで、無用なトラブルを未然に防ぐことが出来るのです。私もこの思考を習慣化することで、それ以降は余計な災いを招くことがなくなりました。

黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。