GW休日格差の原因は国ではなく、経営者

黒坂 岳央

こんにちは!黒坂岳央(くろさかたけを)です。
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ゴールデンウィークまっただ中ですが、あちこちで「ゴールデンウィークに休めない!」と休日格差の怒りの声が散見されます。キャリコネニュースの読者からは、「一揆起こしたい!」「国は休日格差を放置するな!」との声が見られます。

参考:(キャリコネニュース) GWに休めない人が国に激ギレ「心底恨みます。一揆起こしたい」「休日格差がある現実を見て。放置は許せない」

ゴールデンウィークの休日格差の原因と対応策について、個人的見解を述べてみたいと思います。

写真AC:編集部

サービス業の経営者は「休みたくない」が本音

休みたくても休めない、休日格差が起こっているのは飲食店やホテル業などです。私はフルーツギフトショップのネットショップ経営者の立場ですが、ゴールデンウィーク中も休まず営業をするサービス業の経営者の気持ちはわかります。なぜなら絶好の稼ぎどきだからです。

私のビジネスの場合は4月末から、5月下旬にかけて、新しいフルーツの取扱が開始になるタイミングでもあります。毎年、飛ぶように売れるブラックジャックスイカも昨日、出荷開始になったばかりで、さっそく怒涛の注文ラッシュが始まりました。このような状況の中で、ショップを閉鎖するということは考えられません。

アクセス数を見ていても、ゴールデンウィーク中だからといって変化はありません。おそらく、ゴールデンウィーク中にお出かけをせず、自宅でゆっくりとネットショップを楽しみたい人も多いのだと思われます。ビジネスオーナーの立場からすると、ゴールデンウィークという稼ぎ時にお店を閉めたくない、というのが偽らざる本音でしょう。

もちろん、「絶好の稼ぎ時で、こちらは給与を支払っているから従業員をこき使っていい」という理由にはなりません。私の会社ではピークシーズンが終わったら、交代でしっかり休暇をとってもらうように言っています。「申し訳ないけど、繁忙期は頑張ってもらう代わりに、閑散期はいくらでも有給を取ってね」と。従業員からは不満の声は出ていませんから、経営者から、従業員への配慮の気持ちがあれば、ゴールデンウィークの休日格差はある程度、是正することはできるのではないかと思います。

同調圧力の解消は上司や経営者の責任

ゴールデンウィークの休日格差は国ではなく、経営者や上司にすべてではないにしろ、責任の一端は担っていると考えます。現場のスタッフ同士だと、休みたくても「休みたい」とは言えない同調圧力的な雰囲気があります。特にサービス業について言えば、一人抜けると全体の負担が大きくなりますから、それが顕著です。そんな時こそ、経営者や上司は「ピークが過ぎたら抗体で有給を取り合おう」率先してと声をかけることで、同調圧力の解消に勤めるべきだと考えます。

休日格差を放置しているのは国ではなく、現場の責任者だと思います。サービス業によっては、対応は現場のスタッフに任せて、経営者はのんきに海外旅行を楽しむ、というケースを何件も知っています。従業員からは経営者に直接文句は言えず、その矛先が国に向かっているのでしょう。

一斉に休むのではなく、交代で休む

今回のゴールデンウィークのように一部を除き、国中が一斉に休むというスタイルは嬉しさより不便さがあります。私はフルーツギフトショップの経営以外にもビジネスをしていますが、取引先が休んでいたりして仕事が止まり、かなり不便さを感じています。仕方がないことではありますが、10日間まったく身動きできないビジネスがあるのは、本当に不便です。実際、連休に入る前に10日間繰り上げて急いで仕上げた仕事はいくつもあります。

一斉に休むと仕事の面でも休日の面でも不便さは拭えません。遊びに行くのでも、交通機関や宿泊先は混雑している上に金額も割高になります。また、普段は子供を園に預けているのですが、ゴールデンウィーク中は園も休みになるので、家で子供の面倒を見ながら仕事をするのはかなりの負担です。

一斉に休むより、上手にローテーション制で交代しながら休む方が遥かに「嬉しい連休」になるのではないでしょうか?理想論を言っている自覚はあるのですが、現行の「一斉に休む」という以外に強制的に有給取得を促すなど、「スマートホリデイ」の手段を模索する価値は十分にあると思います。少しでも休日格差が是正されることを切に願います。

黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。