もはや“詐欺と営業ホイホイ”になった固定電話

黒坂 岳央

こんにちは!黒坂岳央(くろさかたけを)です。
■Twitterアカウントはこちら→@takeokurosaka

かつては固定電話を持っていることが「信用」に繋がっていた時代がありました。法人化して会社を経営していくなら、問い合わせ先の番号は当然固定電話、携帯電話しかおいていない会社は信用できない、などと言われていたのです。また、クレジットカードを作る上で、固定電話の番号でなければ審査が不利になるという話もありました。

しかしながら、昨今この固定電話がむしろ「リスクの温床」になりつつあると感じています。

のぶた/写真AC:編集部

詐欺や営業電話は固定電話にかかってくる

詐欺や営業電話は固定電話にかかってきます。それは想像で言っているのではなく、実際に自分の会社の固定電話にそうした連絡がよく来るので、自身の実体験からもそう言えます。

「○○(電話会社名)から電話をしていますが…(実際は代理店)」

「求人募集を見て電話をしていますが、ただいま3週間無料掲載キャンペーンで…(求人広告詐欺、弁護士に相談して対応)」

「インターネットの広告代理店ですが、SEOの対策に興味はありませんか?」

という具合です。こうした多種多様の営業電話、時には詐欺に近い(ものによっては完全に詐欺)の電話が固定電話に入ってきます。顧客からの電話が鳴る中、こうした営業や詐欺電話が入ってくる度、経営資源の中でもっとも重要な「時間」が奪われてしまいます。先日の記事でご紹介したような悪意に満ちた詐欺電話もかかってくるのです。

リスクが大きい固定電話

固定電話はリスクが大きいと感じます。一度、番号を取得すると変更することは容易ではなく、会社であれば求人募集や、タウンページなどあらゆるところに掲載することになります。会社の業種や規模などが分かってしまうために、容易に営業や詐欺の対象になってしまいます。顧客の利便性を考えると廃止することは出来ませんが、固定電話の脆弱性を肌身で感じ、対策の取りようがないので困ってしまいます。

営業と詐欺電話は個人宅にもかかってくる

今住んでいる家には固定電話回線を引いており、営業と詐欺の電話はこちらにもよくかかってきます。固定電話は移動させることができず、着信音も常に鳴るので場合によっては昼寝をしている子供が目を覚ましてしまったり、ネットにアップする音声や動画を収録している時にかかってくると撮り直しを余儀なくされます。

何度お断りしても、一定期間をあけて電話がかかってくるのでどうしようもありません。中には知り合いを装ってかけてくる業者もおり、人によっては騙されてしまう可能性もあると感じます。

携帯電話の普及とともに、固定電話は“営業と詐欺電話ホイホイ”になってしまったように思えます。最大の問題は迷惑な電話をかけてくる業者の存在なのですが、その脆弱性故に固定電話の存在に頭を悩ませています。

黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表

■無料で不定期配信している「黒坂岳央の公式メールマガジン」。ためになる情報や、読者限定企画、イベントのご案内、非公開動画や音声も配信します。

ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。