枝野氏は、頑なな真正・護憲主義の論客たちの言説に惑わされるべからず
憲法改正の議論を回避すべきでない、などと主張している山尾志桜里さんの動きを、立憲民主党を内部から破壊しようとするものだ、などと激しく攻撃している一文を読んだ。
まあ、立憲民主党を何としても反・改憲の陣営に留めたいという一念からの論稿なので無視してもいいようなものだが、この一文で立憲民主党の中でしなやかな改憲論議を進めようとされている若い方々の動きが止まってしまうのは残念なので、あえて苦言を呈しておく。
立憲主義を標榜するのなら、山尾さん等の議論を頭から否定しないで、現行憲法の問題点等について虚心坦懐に議論すればいいと思うのだが、立憲民主党の議論が一ミリでも憲法改正の方向に近づくことを懸念する人たちは、山尾さんを立憲民主党の枢要なポジションから排除したくて仕方がないのだろう。
立憲民主党の内部の話なので、外部の者があれこれ言っても何の影響もないとは思うが、山尾志桜里さん苛めはほどほどにした方がいい。
山尾さんの主張は、私の目から見てもそう突飛な主張ではない。
さて、護憲を叫んでいるだけで票になるのか、ならないのか
ここは、有権者の皆さんにお伺いしたいところだ。
憲法改正ハンターイ、と言っているだけで、どのくらい票が入るのか知りたい。
憲法問題についてそれなりの見識を持っておられる方が、問題の所在をよく承知したうえ、熟考に熟考を重ねたうえで護憲に舵を切られたのなら、それはそれで立派なものだと思うが、碌に議論もしないで、闇雲に憲法改正反対などと仰られるのを聞くと、この人は物事を真剣に考えられたことがあるのだろうか、と心配になる。
碌に自分の頭でものを考えない人は、簡単に自分の考えを変えてしまう虞があるから、そういう人には国の大事を委ねたくない。
実は、世の中には、どなたかの指令一つで投票先を変えてしまう人がいる。
自分の信念ではなく、組織の指令で動いてしまう人たちである。
組織に忠実な人たちだから、組織にとってはこれほどありがたい存在はない。
もっとも、国民の代表たるべき国会議員が一組織の代弁者になってしまったのでは、実に危うい。
議会制民主主義の危機だろうと思っている。
野党の国会議員は、憲法改正ハンターイ、と叫んでいさえばそれなりに票が入るようですよ、と指摘された読者の方がおられたが、さて、本当にそうか。
7月の国政選挙が、いよいよ楽しみである。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2019年5月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。