チャレンジできるかは社風と年齢で決まる理由(ワケ)

書籍内の画像より引用

仕事でチャレンジできるかは、どのくらいミスやトラブルが許容されるかによって決まります。それは、「社風」と「年代」に左右されます。

今回は、拙著波風を立てない仕事のルール』(きずな出版)のなかから関連するエッセンスを紹介します。

たとえば体育会系の会社よりも、官僚的な仕事が求められる会社のほうが、ミスやトラブルが査定に大きく影響しがちです。体育会系の会社の場合は、多少失敗しても「元気がある社員」として肯定的に受け止められることも少なくありません。自分が働いている会社の社風がどのようなものかは、把握しておくに越したことはないでしょう。

チェックするポイントは3つあります。

1.自由にモノが言えるか
思ったことを気軽に口にできる雰囲気かは大切です。たとえば、新入社員や平社員、あるいは中途採用者にはあまり発言権が与えられていなかったりする場合、チャレンジをした結果のミスや失態に厳しいことがよくあります。

2.時間のメリハリをつけて働けるか
上司の帰りが遅く、ダラダラと残業をするのが常態化している会社があります。残業して遅くまで働いていることが美徳とされる会社も、まだまだあります。また、参加を強制される飲み会や休日のイベント参加などを要請されたりするところも要注意です。

3.若すぎる上司がいないか
実力主義と銘打って、経験の足りない人材を管理職に登用する会社があります。しかし、プレイヤーとしての実力とマネジャーとしての実力はまったく別物ですから、そのような会社の場合、管理能力の低い人が上司になってしまうことがあります。この場合も、チャレンジした結果の失敗に潔く責任を取っても、それが評価されないこともあります。

もう1つのファクターは年齢です。チャレンジした結果の失敗は、若い人ほど許されます。しかし、すでに社会人経験を積んでいる社員が同じような失敗をすると、どうしても周囲の視線や風当たりは厳しいものになってしまいます。もしもあなたが20代なら、積極的にチャレンジしても良いでしょう。責任の大きさなんて、たかが知れています。

40代以降は、すでに社内で相応のポジションについていることと思います。そうでないならチャレンジを抑えるべきでしょう。うまく立ち回りおこぼれに預かる戦法が効果的です。または、基本的に部下に任せ、部下の失敗についてはどのくらい自分が責任を持つかを慎重に判断しましょう。自分の処世術を部下に教える番とも言えるでしょう。

尾藤克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員
※12冊目となる『波風を立てない仕事のルール』(きずな出版)を上梓しました。