アマゾンに投資したバフェット氏の真似をしてはいけない

内藤 忍

ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャーハサウェイがアマゾン株に投資を始めたことが話題になっています。

バフェット氏ツイッターより:編集部

PER(株価収益率)が低い割安株と呼ばれる投資を得意としてきた同氏が、アマゾンのような成長株投資に軸足を移している。これは、株式投資家にとっては大きなニュースなのかもしれません。

しかし、バフェット氏は既に昨年アップルへの投資も開始しています。単純に、PERが低い株に投資しているだけではなく、企業の本質的な価値を分析して、投資判断をしているのです。そう考えれば、投資対象となっている銘柄に共通するPERなどの一般の指標では測れない何かがあるはずです。それは一般投資家にはわかりません。

個人投資家が忘れてはならない事は、個別株投資で高い収益を上げているウォーレンバフェット氏も、個人投資家にはインデックスファンドへの投資を勧めていることです。

投資家からの質問に対しバフェット氏は「アメリカの株式のインデックスであるS&P500に連動するインデックスファンドを買いなさい」と回答しています。

個別銘柄で市場平均を上回る収益を上げる自分のことは「例外」と言っています。インデックスを上回る投資成績を長期にわたって実現するのは、プロのファンドマネージャーでも簡単ではありません。これは、アメリカに限らず世界各国で共通です。

テニスの錦織選手の真似をしても、プロのテニスプレーヤーにはなれません。大リーグのダルビッシュ選手に野球を教えてもらっても大リーガーにはなれません。

それと同じで、バフェット氏の真似をしても、株式投資で成功出来ないのです。

そう考えれば、バフェット氏が何を買おうが、どんな投資をしようが関係ありません。個人投資家が金融資産の投資でやるべきことは3つ。「インデックス」「積立」そして「アセットアロケーション」です。これはこれからもずっと変わらないと思います。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2019年5月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。