戦争発言の丸山穂高議員に対する法的拘束力のない議員辞職勧告は自民党が難色を示したことで可決しない模様です。また、同議員も辞めるつもりは今のところありません。では、彼は今後、どのように議員活動をしていくのでしょうか?有権者からすれば国民の代表者としての資質と信任を失った以上、一旦身を引いた方がよい気がします。「戦争」という言葉に対する感性の鈍さは学校に行き直しです。東大で何を学んだのでしょうか?
では今週のつぶやきです。
ようやく反発した東京市場だけど…
正直、弱々しいという言葉がしっくりくるかもしれません。令和になってご祝儀相場も期待できたのにすっかり縮み上がってしまったのは大国にはさまれた日本のメンタリティを表しているようです。悪役の米中通商戦争に関して刻々と入るニュースを見ながら全体のトーンを見ていると中国側も長期戦に持ち込むように感じます。
中国からすればアメリカにも諸刃の剣の悪影響はあるのだから体力勝負をすればいいという見方と今のトランプ政権は何を言っても押しの一手だから真っ向勝負はしないというスタンスも考えられます。25%も関税をかければアメリカの消費者物価は一時的には否が応でも上がります。また中国が持つアメリカの国債を大量売却し、国債価格を下落させ利回りを急騰させ、アメリカの株式市場に間接的影響を与えることもできます。
ただ、これは一時的。世界はアメリカと中国しかないわけではありません。「風が吹けば…」的な発想をすれば日本に迂回理由の特需メリットが生まれる可能性はあります。とすれば東京市場もそこまで悲観的にならなくてもよい気がするのですが。
注目される銀行経営の在り方
地銀だけではありません。今週発表になった大手5グループ(3メガ、りそな、三井住友トラスト)を集計した3月決算の利益は24%減。特にみずほが83%減益で最強である三菱UFJの減益も重しになりました。
銀行は経営をゼロから見直さねばならない時代になったと考えています。もちろん、抱える人材への対応もありますが相当急がないといけないでしょう。欧米には相当後れを取っています。個人的イメージとしては地銀の数は1/3以下、信用金庫などは不要論も出てきてもおかしくないとみています。なぜなら金融事業の近代化に対して弱小金融機関では投資そのものが追い付きません。行員の質も上がらないでしょう。
もちろん、すべてを効率化で切り捨てるつもりはありません。ただ、銀行業は金融庁に守られ過ぎてその監視体制から一歩もはみ出すことができなかったが故に企業としての成長を忘れた産業だとみています。私の言っていること、銀行さんとのお付き合いがある方なら分かって頂けると思います。
スープラよりEV
トヨタがスープラを17年ぶりに売り出しました。私もオートショーで実物を見ましたがなかなかコンパクトな車で同社の「86」に近いものはあります。もちろん、かたやスバル、かたやBMWと組んだ車でトヨタに言わせればオリジナリティも含め全然違う、ということになりますが、うーん、市場はどう反応するでしょうか?私には中途半端にしか見えないのですが。
カナダでも最近はEVへの注目度が上がってきています。ボルボ、ジャガー、ベンツなど高級自動車メーカーが次々と打ち出すEVはスペーシャスでアンチ テスラ派やほかの選択肢を考えている人々にとっていよいよ選べる時代になってきたと思います。なぜ、日本メーカーはラグジュアリーブランドでEVを出さないのか不思議でなりません。レクサスあたりで次の時代を担うコンセプトをもっと強く打ち出してほしいところです。
こちらの車はいよいよSUVの比重が増え、セダンは淘汰されるのではないかという勢いです。勝利の方程式はSUVとEVの掛け合わせのはずです。折しも日産は販売不振が取りざたされていますが、北米におけるSUVのラインアップは名前を覚えられないほど充実しています。ならば一つぐらいEVのSUVを出せばよいのに、と思うのですが、なぜでしょうかねぇ。
後記
長年知っているある日本人の若者が私のところに突然やってきて「働かせてください!」と。なぜ、うちに?と聞けば将来の起業に向けた勉強をしたいというのが本音のようです。数年ぐらい一緒に仕事をすれば面白い経験はできるとは思いますが、この彼に「ならば経理から教える」といった時、えっ、という顔をされたのは予想外だったからでしょうか?でも、数字を理解するとビジネスの顔は全然違ったものに見えてくると信じていますが。
では今日はこのぐらいで。よい週末を。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2019年5月18日の記事より転載させていただきました。