理屈で願望実現はできない。実感を得ることが成功へのファーストクラスチケット

こんにちは!黒坂岳央(くろさかたけを)です。
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私は昔、自分の願望を実現させるために必要なことは「ノウハウ」だと信じて疑いませんでした。

英語力を身に着けたい→英語力を身につけるノウハウ
外資系企業へ転職したい→転職や必要なスキルびノウハウ

そして起業するにはビジネスを立ち上げ、顧客を創造し、利益を得ていくためのノウハウが必要だと思っていました。確かに成功スためには、ノウハウが必要です。しかし、ノウハウだけでは足りないということが、いくつか失敗を重ね、そして願望を実現させてきた経験から思うようになりました。

人は理屈だけ与えられてそれだけで動けるものではありません。これは、プログラムという命令を受けて、そのとおりに動くコンピュータとは大きく異なる点です。

写真AC:編集部

理屈を得ても、それだけでは成功できない

「成功するために必要なものはコレとコレ。あとは実践あるのみだよ」そう言われて必要なものを渡されているにも関わらず、行動し継続出来るものではありません。長い間、その原因はその人の根性ややる気が足りないからだと思われてきました。…いや、未だにそう思う人が世の中の大多数を占めるといっても過言ではないでしょう。しかし、実際にはそうではありません。人間は理屈では行動できない動物なのです。

私からのこの答えに納得できない人は、ダイエットを思い浮かべて下さい。ダイエットを成功させるためのロジックは極めてシンプルです。ズバリ、「消費カロリー>摂取カロリー」という絶対的な公式を満たす行動を日々積み重ねるだけです。消費カロリーを増やすために筋肉をつけ、摂取カロリーを抑えるために食事制限をすれば、世の中にダイエットができない人など一人たりともいないのです。つまり、ダイエットの成功における100%の答えは、すでに出ているのです。

しかし、それでも多くの人が痩せたくても痩せられない悩みを抱え、ダイエットという問題解決のために、数十万円のお金を拠出する人すらいます。この状況こそが「人は答えという理屈だけを渡されても成功できない」という何よりの証拠なのです。

ダイエットの例で言えば、問題の本質は痩せる方法を知ることではありません(それはすでに解消されています)。そうではなく、どうすればきつい運動を継続し、あと一口ケーキを食べたい欲求を抑えることができるのか?という原始的に湧き上がる気持ちとの付き合い方です。…というのが一般的に言われる模範解答でしょう(笑)。

でも私からの答えは違います。そうではなく、「自分がダイエットなど出来るのだろうか?」という固定概念を覆すことこそが問題の本質だと考えています。。特に思春期から太り気味で、大人までそれが継続していた人は、この固定概念は強固です。「自分は何をやっても痩せられない人間だ」という思い込みがありますから、それを打ち破り、「自分も痩せられる」という実感を得ることは容易ではありません。

実感がなければ成功は不可能

私は、「実感がなければ成功は99%不可能」と考えています。なぜ、1%そうでない要素を残しているかというと、本当に極稀に実感がなくても運の力でなし得てしまう事例が存在するからです。しかし、そうした事例が1件あっても、自分に起こらなければ単なる統計上の数字のマジック、「理論上可能だが、事実上不可能」という再現性のない話を聞いても、役に立つデータにはなりえません。

重要なのは「これは自分にもできる」という実感を持つことです。同じ話を聞いても、「あー、自分には無理。才能ないし」とはじめから諦めている人と、「頑張ればできるかもしれない」とわずかでも実感として持つことが出来る人とで命運は分かれます。言うまでもなく、後者の感覚を得ることが成功へのチケットになるということです。

私は今、英語を教育ビジネスとして取り組んでいます。英語のブログを立ち上げ、大手メディアに英語学習の記事を寄稿し、英語学習本を出版し、英語学習プログラムを作って運営しています。TOEIC985点、英検1級、米国の大学に留学してビジネスを専攻し、外資系企業で英語を使って働いた経験があります。

こう書くとさも、昔からの英語の達人のように感じられるかもしれません。しかし、実際にはそうではなく、中学・高校をほぼ不登校で卒業し、23歳で英語を独学で勉強するまでbe動詞と一般動詞の違いもわかりませんでした。元々は英語がダメダメな人間です。英会話スクールもチケット代だけ払ってすぐに挫折を繰り返していました。

そんな私を英語の達人に変えたのは「英語多読」との出会いでした。「英語をたくさん読むことで英語力が高まる」ということを知った時、それまでまったくなかった実感が得られたのを感じました。「英語をたくさん読む、ということなら落ちこぼれの自分にもできそうだ」と。その実感を得た時から、私は猛然と英語を独学で学び、最終的に英語本の著者まで駆け上がることが出来たのです。決め手となったのは「これなら自分にもできそう」という実感なのです。

私は今ではネットショップをはじめとして、ネットから収益の99%を稼いでいます。しかし、昔は「ネットで何かを売って稼ぐなんて不可能」と強い思い込みがありました。ですので、起業したいと思って手がけたビジネスはすべてリアルビジネスばかりでした。会場を借りてセミナー講師、英会話の講師をして稼ぐという、自分の時間を切り売りすることしか考えていませんでした。

しかし、半ば強制的にとある経営コンサルタントの先生から「ネットショップで起業しろ」と言われ、様々なアドバイスを受けていく内に「広告を使わなくても売れる」という彼の話を実感として得たのと同じくらいのタイミングで、ネットで販売したマスクメロンが売れたのです。その時の感動は今でも忘れません。感動で泣きじゃくる奥さんと手をつないで、狭いマンションの一室で二人でダンスをした時のことを昨日のことのように覚えています。

どんなことでも、自分がこうしたいと思ったことを実現させるには「これなら自分にもできそうだ」という実感を得ることがとてつもなく重要なのです。

理屈を追い求めるのではなく、実感を得ること

自分が実現させたいことは、探してみれば世の中に答えとしていくらでも提供されています。最近はフリーランスになって会社にしばられずに自由に生きる!が流行っていますが、その手法などはまさにいくらでもあって、それぞれに答えが色んな人から提供されています。しかし、その手法を得てもほとんどの人が実現させることが出来ません。それはまさに、「ダイエットをして痩せるための理屈」を理解してもダイエットに失敗する人が大半である理由と全く同じなのです。

理屈を追い求めても、その延長線上に自分の夢の実現はありません。そうではなく、実感を得ることにフォーカスするべきなのです。実感は、自分がその道で体験することでしか得られません。つまりは、やってみたいと思ったことをまず、失敗を恐れずに何も考えずにやってみるということです。たとえ失敗したり、どうしようもない手法に手を染めていたとしても、止めずに継続するのです。そうすればいつかは正しい道を手繰り寄せ、成果の出る道を見つけることが出来ます。成功の実感とは、その道半ばで得るものですから、「行動せずに実感は得られない」ということが言えるわけです。

「自分にできそうならやる」と言っていては永遠に成功しません。「やっている内に自分にできそうだ」というのが正しい順序なのですから、不安ばかりにとらわれるのではなく、とにかく大量行動することこそが、成功に必要な実感を得るためには重要だとおわかり頂けたのではないでしょうか?

黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。