北方領土訪問中の言動が問題視されている丸山穂高衆議院議員(大阪19区)は24日、事情聴取の予定だった衆院議運委員会理事会に体調不良を理由に欠席し、秘書を通じて医師の診断書を提出した。FNNニュースによると、病名は「適応障害」で2か月の休養が必要と記載されていたようだ。
適応障害は体調を崩して休養された皇后様もかつて診断された病名だ。厚労省のサイトによると、適応障害は次のような症状をさす。
ある特定の状況や出来事が、その人にとってとてもつらく耐えがたく感じられ、そのために気分や行動面に症状が現れるものです。たとえば憂うつな気分や不安感が強くなるため、涙もろくなったり、過剰に心配したり、神経が過敏になったりします。また、無断欠席や無謀な運転、喧嘩、物を壊すなどの行動面の症状がみられることもあります。
議運理事会は今後、高市早苗委員長と与野党の筆頭理事が丸山氏を訪ねて聴取をすることも検討しているが、実現するかは不透明だ。また、丸山氏を除名した日本維新の会の松井一郎代表(大阪市長)はこの日夕方、記者団に対し、「2カ月も出て来られないなら、まずはけじめつけて早く辞めて、治療に専念してもらいたい」と、早期の辞職を要求した。
維新・松井氏「丸山議員、2カ月出られないなら辞めて」:朝日新聞デジタル
一方、「適応障害」の一報がネットにも流れると、様々な反応が出たが、ツイッターでは「本職」の精神科医同士で見解をぶつけ合うシーンも見られた。
日頃から安倍政権には徹底したアンチの姿勢で知られる香山リカ氏は「精神疾患の診断書をこういう形で使われるのは心外です」と丸山氏を非難。さらに「『逃げたいときには病気と偽装できるのか』と患者さんたちが誤解されます。適応障害とのことですが、ストレス因は自ら招いたもので、国会議員なら対応すべき範囲内です」などと、あくまで「患者」である丸山氏の自己責任の問題だと突き放した。
しかし、これに対して、同じ精神科医の横山勝利氏が「仰ることはわかるのですが、医師の発言としては賛同しかねます。そもそも診察されたわけではないでしょうし、ストレス因は自ら招いたものなのだから対応すべき、と医療側から言うのなら、それが会社員でも、SEでもなんでも適応障害と診断できないです」と異論を唱えた。
すると香山氏は横山氏に対して再反論。「お言葉ですが過重労働のSEに起きる適応障害は本人が招いたものではありません。丸山議員とはまったく事情が違うと思います。」と主張した。この様子は東スポなど複数のネットニュースでも取り上げられた。
丸山議員の適応障害は「偽装」と断じた香山リカ氏に別の精神科医が反論(東スポWeb)
一般のネット民の反応としては、香山氏のツイートに対して左派系のネット民らで同調する人も多かったが、
数日前まで、辞職しない旨、強気の発言をしていたと思いますが、急に具合が悪くなったんでしょうかね
政治家って都合が悪くなると、すぐ病気になるねぇ。
心の病で苦しむ立場を、隠れ蓑にしないでもらいたい。病の当事者はほんとに辛いんだ。
横山氏と同じような異論、あるいは医師としての所見より政治的意見を押し付けていないかという批判も多数噴出するなど物議を醸した。
気持ちはわかりますが、専門医が「ストレス因は自ら招いたもので、国会議員なら対応すべき範囲内です。」と発言されることは、都合良く切り取られて「ストレス因は自ら招いたもので、対応すべき範囲内」として一般に認知されてしまい、逆に患者の立場を悪くするのではないでしょうか。
丸山議員を庇う気持ちはさらさらありませんが…香山先生 丸山議員を診察されたのですか?そうでないのなら予断が過ぎませんか?
「ストレス因は自ら招いたもので」って、自ら招いたストレスならば対応すべきなの?「国会議員なら」職業によって症状に対応すべき・対応できる範囲が変わるの?専門家がそんな事を主張したら、適応障に対する軽視を加速させると思いますよ
アゴラ執筆陣の政治学者、岩田温氏も香山氏に対し「そもそも診断せずに断定するのは問題ではないのでしょうか?」と疑問をぶつけていた。
また丸山氏の経産省時代からのアルコールトラブルを指摘し、治療の必要性を述べ続けてきた宇佐美典也氏は「丸山、病院行ったのか。とりあえず適応障害の診断くだったみたいだけど、ここから断酒に繋がることを望む」とコメント。
しかし、ツイッターで丸山氏の診断結果に異論を唱える人が多いことに愕然としたようで、「昨日まで「医者でもないのに人を勝手に病気と決めつけるな」と言ってた人たちの一部が「あいつの病気は仮病」と糾弾してて、twitterの闇スゲーなと呆然としてる」と心境を述べた。