こんにちは!黒坂岳央(くろさかたけを)です。
■Twitterアカウントはこちら→@takeokurosaka
はてなダイアリーに興味深い投稿がありました。大企業に務める男性と婚活で知り合ったが、相手の言動に鼻がついて別れてしまったといいます。ものすごく共感出来るポイントがありましたので、取り上げたいと思います。
思わず、Twitterでもつぶやいてしまいました。
お話のあらまし
話題のブログを書いたのは、婚活中という30代の高卒女性。
知り合った男性と親しくなるうちに、相手の勤め先がわかり、「そんな大企業で働く人と初めて知り合えて」興奮してしまいました。
ところが女性は、やがて冷めてしまって「だんだんひねくれた考えを持つようになってしまった」と言います。なぜならその男性が
余裕があり、金で判断する女とだけは付き合いたくないとそんな話をしてくる。
なんかこの人とは絶対付き合いたくない、と思ってしまった。
とのこと。
一体何があったのか。お父さんが中小企業を経営する家庭に育った彼女は、心境の変化をこう振り返っています。
上手く言葉で言い表せないけど、大企業という神輿に乗っていい気になってる感じなのが鼻についたんだと思う。お金を稼ぐって、働くって、もっと泥臭いことだと思ってたし、それが私の信じてた世界だったから。この男を認めたら、私の信じていた世界が崩れてしまう。
色々考えているうちに整理もつかなくなって、最後に相手を振る際には、「なんて言ったら良いのかわからなかった」とも。
参照:はてな「大企業で働いてる男性に歪んだ気持ちを持ってしまった」
このエントリーに対して、次のような反応がありました。↓
「大企業に勤めてる男なんだけど、割とそういう、なんか上から目線のやつは確かに同僚にも何人も居る感じがする。」
「金銭感覚の差は結婚回避の理由として十分以上だよ 気にすんな」
「社長令嬢とか金持ちで高卒、Fラン出身で適当な企業に勤めてる人とか大した努力もせずのほほんと遊んでただけなんだろうなと思ってしまうから多分同じことなんだろうな。」
大企業勤務は別に勝ち組ではないと思う
私は転職を何度かして、大企業と呼ばれる複数の会社で働いてきました。その一方で、社長のワンマン経営の小さな零細企業でも働いた経験がありますし、現在は経営者をしていてつまりは一通りの労働形態は体験してきました。
その経験から言うならば、決して大企業勤務は勝ち組でもなんでもないということです。確かに待遇面は零細企業などと比べると差はあります。私は過去に働いてきた外資系企業に転職した際、「あなたの過去のキャリアを考慮すると、この賃金テーブルのこの位置になります」と人事から説明を受け、結果的に前職より200万円以上年収がアップして驚いた経験があります。
思った以上に高額なオファーを頂いたことにも驚いたのですが、その人の能力やスキル、経験をシステマティックに評価する「きちんとした体制」が整えられていた事に驚いて、「さすが大企業だな」と思ったものです。育児休暇、リモートワークなども充実していて、「すごい会社で自分は働いているんだ!」という高揚感を覚え、その日は興奮して奥さんに熱く語ったことを今でも記憶に焼き付いています。
しかし、働き始めると大企業は大企業で、仕事への厳しさや責任の重さは他の会社と何も変わらない事に気づきました。
てっきり入社する前は「資本が大きいのだから人的リソースは多く、余裕があるのだろう」と思っていました。ところが、そんなことはありません。社員一人ひとりに課せられたタスクの重さはズシリと感じられるものであり、特に入社したばかりの私はファイナンス部門で作成した決算報告書を分析、その結果を米国本社にレポーティングする重要な役割でした。
先方から雨のように降ってくる問い合わせに対し、毎月四苦八苦しながら答えていました。誰もいなくなったオフィスに残って何度も計算をやり直し、近隣のホテルに宿泊して対応した経験もあります。
大企業勤務は確かに恵まれた待遇や制度があります。しかし、それはあくまで社員が仕事をして利益をもたらすためのイチ仕組みでしかありません。どこまでいっても、会社は責任を持って成果を求められる場であり、母体の大きさは関係なく甘いものではないのです。
大企業勤務者の一定数は勘違いしてしまう
会社員は自分の勤務先の知名度、待遇に価値観を置く人がいます。もちろん、「職業」という仕事そのものにコミットする人もいるのですが、「就社」したつもりで会社というブランドに誇りを持つ人も一定数存在します。「大企業勤務の人が外食をする際、勤務先のネックストラップを首から下げたまま食事をして優越感に浸る」という人もいます。私の学生時代の知人の一人は会うたびに、勤務先企業の待遇を自慢し、優越感を覚えていると思しき人もいます。
「お金目当ての女性とは付き合いたくない」という発言を上から目線に、そして「オレ大企業勤務なんだぜ?」というナルシストな感覚があったことに、嫌悪感を覚えたのではないでしょうか。もうお別れしてしまったとのことで心の深淵は分かりません。
しかし、「自己評価 – 周囲の評価 = 痛い人度」という公式に照らして考えると、お相手の男性はかなり自己評価が高く、結果的にかなり勘違いした痛い人であると感じられたと推測します。
黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表
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