老後の資産形成をめぐり「貯蓄は2000万円必要になる」とした金融庁の報告書の受け取りを麻生金融担当相が拒否した件で、自民党の森山国会対策委員長が「報告書はもうなくなった」と発言したことが波紋を呼び、一時ツイッターのトレンド入りするなどしている。
毎日新聞によると、森山氏の発言は12日午前、自民、公明両党の幹部会合後に記者団に語ったもの。金融庁の報告書について「政府は受け取らないと決断した。報告書はもうない」として、野党側が求める予算委員会の開催に否定的な考えを示したという。
この森山氏の発言などに対し、ネットでは、
超ヤバいやつらに政権担わせてるなこの国
何を言っているのか全く意味が分からない。あの報告書は他でもない麻生副総理兼金融担当大臣が“自ら諮問して”出させたもの。それが都合が悪くなった途端「もうない」とは絶句。
これは国民の側から見れば「日本の民主主義はもうなくなった」ということだ。来月の参院選で自公が議席を減らさなければ、日本の民主主義は確実に消滅の方向に向かうだろう。
などと反自民と思われる人たちを中心に反発の声が上がった。
また、基本的には保守的なスタンスをとりながらも、「安全保障」や「経済財政」など、政策ごとに是々非々で評価するアゴラ編集長の新田は、
と厳しめの評価を示した。
さらに、11日のアゴラまとめ記事も書いたように、この問題で活気を取り戻しているのが立憲民主党の蓮舫副代表。麻生氏に「読んだら5分で終わる報告書を読んでいない」と突っ込んでマスコミが取り上げるきっかけを生んだが、この日もツイッター上で
と追及の手を緩めておらず、安倍政権への攻勢を強めていた。
この問題で、蓮舫氏は意外な方面から援護射撃?を得ているかもしれない。出所は二重国籍問題で蓮舫氏を厳しく追及したこのアゴラの池田信夫だ。12日の記事の中でも、金融庁の報告書の受け取りを拒否したところで、それは厚労省の資料に書かれている2017年の総務省「家計調査」が元になっているのだから、政府が拒否するなんてありえないと指摘する。
池田がいうように、いずれにしても年金問題に誰もがハッピーになれる答えはなく、超高齢社会の負担を世代間でどう分配するかについて国民的な議論が必要だと思われる。政府は年金財政検証を早めに公表して改めて年金制度を提案し、野党も対案を出して、選挙で国民の選択を問うべきだろう。