こんな「お金の専門家」に相談してはいけない

世の中には「お金の専門家」と呼ばれる人がいます。しかし、その人たちの中には首を傾げてしまうような仕事のやり方をしている人たちが意外に多いのです。

(写真AC:編集部)

例えば、こんな人たちです。

1.個別相談をカフェのようなオープンスペースで行う「専門家」
資産運用のような相談は極めてプライベートな内容です。カフェやホテルのラウンジのようなオープンな場所でこの手の相談をしている人がいますが、これは危険です。席によっては落ち着かないので集中できませんし、自分の最も重要な情報が外部に漏れる可能性もあります。こんな場所を指定して来る専門家は、個人情報に対する意識が低い人。付き合ってはいけません。

2.自分の資産がどうなっているか教えない「専門家」
資産運用の方法について、専門家自身がどんな状況なのかを聞いてみてください。教えたがらない人がいたら、相談しない方が良いでしょう。自分自身の資産運用をお手本のように示すことによりアドバイスにも納得感があり、説得力も増すと思います。

3.資格をやたらとたくさん持っている「専門家」
有料でプライベートに個別銘柄の推奨をする場合は投資助言の免許が必要ですが、アセットアロケーションのような資産運用のアドバイスには、資格は必要ありません。敢えて持っていたらベターと言える資格を挙げるとしたら、証券アナリストと宅建士くらいです。名刺に聞いたことの無い資格をやたらと羅列している人がいますが、この手の資格マニアには逆に注意が必要です。

4.この1年に海外に行ったことが一度もない「専門家」
資産運用がグローバル化している中、海外に行ったことさえない人に資産運用を包括的に語ることは難しいと思います。新興国の現状や、香港・シンガポールといった金融センターの動き、海外の金融機関のサービスの変化など、現地に行かないとわからないことも多いのです。せめて年に1回くらいは海外からの情報を吸い上げてくるような人とお付き合いしたいものです。

5.家族や自分が保有していない商品を薦めてくる「専門家」
投資の商品を具体的に薦められたら、必ず「あなたは持っていますか」と聞いてみましょう。自分や家族が保有していないのに、薦めてくるのは何とも不自然です。そんなに良いものであれば、当然自分や身内も喜んで投資しているはずだからです。

6.「人生はお金じゃない」と言っている「専門家」
「人生はお金じゃない」と言えるのは、充分なお金を持っている人か、お金の専門家ではない人です。お金の専門家にそう言われてしまうと「あんたが言うんかい」と突っ込みを入れたくなります。

7.収入を増やすことより支出を減らすことが大事だと言う「専門家」
節約は悪いことではありませんが、そのアドバイスを優先するのは資産運用ではなく節約アドバイザーです。リスクを取らないで支出を削ることばかり考えていてば、お金と上手に付き合うことは永遠にできません。

お金の相談は人生で最も大切なことの1つ。間違えた人に関わって、後から後悔することのないようにしてください。資産運用の成果も、人生と同様に「誰と付き合うかが9割」です。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2019年6月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。