世代で異なる「副業・起業」に対しての意識を解説する

こんにちは!黒坂岳央(くろさかたけを)です。
■Twitterアカウントはこちら→@takeokurosaka

ブログや他のメディアで記事を書き、講演でお話をしていると、数は多くありませんがたまに起業相談を受けることがあります。

「今後の将来が不安なので、副業として週末起業をしたいのですが…。」

「老後、働いてお金を稼いでいかないといけないので…。」

と、起業のプランへのアドバイスを求められることがあります。興味深いことに、世代によってこの「起業」「副業」という考え方にかなり違いが見られることです。

chappy/写真AC(編集部)

Twitterでつぶやくのは、もはやお決まりルールみたいになってきました。

若者はネット系、スモールスタート多し

20代の若い人から受ける相談で圧倒的に多いのは、なんといっても「ネットで稼ぐ」というスタイルです。そしてかつての私がそうしたように、本業の会社員を続けつつ、傍らで副業的に稼いでいく週末起業のスタイルを好む人が多い印象です。

彼らと話をしていると、本当に慎重派が多いなという感じがします。もちろん、その姿勢を否定しているのではなく、素晴らしいことです。なぜなら起業は失敗が前提で、起業したビジネスだけで食べていくには、かなりまとまった時間を要するからです。

商品・サービスを作って終わりではなく、作った後は集客をしなければいけません。自分の作ったサイトなどから売れていくには、SEO対策やSNS、メルマガからの流入が必要でそれは一朝一夕にはいきません。慎重な若者が副業としてネットで稼ぐことを考えるのは、はじめは大きな資金をかけない「スモールスタート」として理にかなった価値観だと感じています。

ビジネスが成長するまでの間に、収入が一切ないと気持ちの余裕もなくなってしまいます。私はフルーツギフトショップ・肥後庵が軌道に乗るまで会社員を続けていましたので、ビジネスの成長を気持ちの余裕を持って待つことができました。

年配者はリアル系、どっしり派多し

一方、50代、60代以降の方からビジネスの相談を受ける時は、たいていリアル系のビジネスでどっしり派が多いです。

リアル系というのは、カフェやそば屋を開店したいとか、教室を借りて自分の技能をスクールで販売したいというビジネスです。私も昔、銀座でレンタルオフィスを借りて、英会話スクールを開業したことがありますので、その気持ちはすごくよく理解できます。リアル系ビジネスは維持費がかなりかかるのが普通です。

スクール開業をするためにオフィスを借りるなら、土日だけでは平日の空いたスペースがムダになってしまいます。そうなると、平日・土日祝も可動することを考え、会社をやめて事業に専念することを考えている、と相談を受けるわけです。また、今勤めている会社を定年退職後にビジネスをしたいので、今のうちから準備を考えているという方もいます。

まずはネット起業がオススメ!

こうしたご相談に対して、私からの答えは「ネットで収益を上げる仕組みをまず作る」というものです。

ネットでのビジネスは、高いレバレッジをかけることができます。レバレッジとはテコの原理です。たとえば、リアルビジネスで英会話スクールを開業した場合、100回お客様が来ると、100回スクールの説明や講義が必要です。その時間はすべて自分の持ち時間を手出しすることになります。ですが、自分の持ち時間には限りがありますから、人数が増えてくるとスタッフを雇うか生徒の入会をお断りしなければならなくなります。

ですが、ネットでレバレッジをかけるならすごいことができます。私は英語の講座を提供しています。講座の利用方法や、講座自体も動画に撮影して生徒さんはいつでも視聴できるようにしています。1人でも、1万人でも講座の解説や講座をしてくれるのは、動画の中の自分です。一度頑張って解説動画を作ってしまえば、仮に100万人利用してもかかる時間は変わりません。なので、リアルビジネスでは到底、できないような大勢の方にサービス提供が可能になります。

講座だけでなく、フルーツギフトショップの肥後庵も数年前に書いた商品説明のページから、どんどん商品が売れていっています。サイトにやってきたお客様は数年前に書いた商品説明を読み、次々と買っていきます。一人ひとりのお客様を呼び止め、「コレが良いですよ!」とセールスする必要はありません。

また、低コストであることも大きな魅力の一つです。私は公式ブログと英語ブログを主に運営していますが、月額のサーバー代は2,000円程度しかかかっていません。リアルビジネスですと、レンタルオフィスでも数万円はかかってしまうのです。

そこで収益源を作った上で、リアルビジネスにも展開していくと良いと考えます。リアルビジネスからの収益に100%頼ると、病気で寝込んだりすると直ちに収益が止まってしまいます。ですので、どうしてもリアルビジネスをしたいというなら、まずはネットで収益源を作った上で、ネットで指示を受けた商品・サービスをリアルでも展開する、という流れが良いと考えます。

結論的には、まずはネットで!というのが私からの答えです。

黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。