海外に2週間以上滞在することができない理由

仕事やプライベートで数日間海外に出かける機会があります。海外に長期間いても、メールなどを使って日本にいるのと同じように仕事ができますが、支障が出るのが印鑑と郵送物です。

請求書や契約書に印鑑を押さなければならない場合、海外にいては手続きできません。PDFをメールで送ることで対応してくれる取引先もありますが、相変わらず大半は印鑑を押した現物を送らなければなりません。そもそも海外に印鑑を持ち歩くことはありませんから、日本を離れてから作成が必要になっても、対応できないのです。電子署名を使う取引先もたまにありますが、まだまだ少数派です。

日本にいる代理人に押印をお願いすることも考えられますが、認印ならともかく、実印は誰にでも渡すことはできません。認印で良い請求書のような書類のやり取りは、やろうと思えばアウトソースできますが、実印が必要な大事な契約は海外では進めることができないのです。

また、実印を使った契約には、印鑑証明の添付が必要な場合がほとんどです。有効期限が3ヵ月と決められていることが多く、こちらも必要になる都度、法務局に取りにいかなければなりません。その手続きも人に海外にいると滞ってしまうのです。

書類のやり取りも、印鑑同様オフィスを離れていると処理を進めることができません。例えば請求書の現物をメールではなく郵送してほしいと言う依頼があったりします。海外から書類を郵送するのは、コストや時間の問題から現実的とは言えません。

また、先方から配送された郵便物が留守中に溜まっていきます。これも、日本にいないと何が届いているか確認もできません。

このように考えると、海外に1か月以上ずっと滞在するというのが、現状の仕事のやり方では不可能であることがわかります。

抜本的に仕事のやり方を改善しなければ、留守にできるのはせいぜい2週間位と言うのが今の感覚です。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2019年6月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。