富裕層ビジネス成功のカギは「気分」を高めること

日本でもようやく富裕層ビジネスに乗り出す企業が増えてきました。しかし、そのビジネスのやり方には、首を傾げてしまうものも多いのです。

(写真AC:編集部)

私が考える富裕層ビジネスのポイントを3つまとめてみました。

ポイント1 お金で買えない価値を提供する
お金をそれなりに持っている人にとって、お金で買えるものは大きな価値を持ちません。大したものでなくても、お金を出しても手に入らない非売品の方が、喜ばれたりするのです。数量限定の商品や、一般では販売しない商品のようなものを確保してあげる。そんな価値提供がとても喜ばれます。

ポイント2 ノーと言わない
富裕層は基本はわがままです。勝手なことをして、嫌ならやらないという人たちが標準だと考えた方が良いのです。彼らが要求してくる様々なわがままに、「出来ません」は禁句です。最後はお断りすることになるとしても、何とか相手の勝手なリクエストに対応しているという姿勢を見せることが大切です。もし、リクエストに応じられなかったとしても、そのやり取りの中で次の取引につながるきっかけが生まれてくる可能性があります。

入口でノーと言ってしまうと、その時点で富裕層ビジネスの扉は閉じてしまうと考えましょう。

ポイント3 特別扱いする
富裕層は特別扱いされることが大好きです。航空会社の上顧客への優先搭乗や専用カウンターでのチェックイン、専用ラウンジの提供などは、サービス自体はそれほど大したものではありませんが、特別扱いされていることに満足しているともいえるのです。

限定や優先といった他の一般顧客ときちんと区別して、特別なお客様であることをメッセージとして伝える。それが、そのサービスに対する満足感につながり、ロイヤリティを高めていくのです。

とにかく基本は、気分を高めることをすることです。富裕層は上機嫌になれば、お金に糸目をつけません。気に入ったものがあれば、値段を見ないで買うというお金の使い方をします。つまり富裕層が一般の人たちとは異なるのは、価格の弾力性が小さいこと。

ただし、気に入らないことは例え価格が安かったとしても、ビタ一文払わない。

幅広い顧客層を対象いしていた企業が富裕層ビジネスで苦戦しているのは、このような富裕層の行動パターンを理解していないからです。従来のビジネスの延長線上で考えてもうまくいかないのは当たり前です。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2019年6月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。