リチウムイオン電池が原因の発火火災が相次いでいる事をご存知ですか?
そもそも皆さんリチウムイオン電池を使ってますか?
「いや使ってるかどうかわかんないなぁ」って人も多いと思います。けれども、実は使っていますよ。というのも、パソコンやスマホ、加熱式たばこなどでリチウムイオン電池が使われていますから、現代生活にとって欠かせぬ存在です。リチウムイオン電池の生産量は国内総生産量の3割を占めています。
リチウムイオン電池は燃えやすい有機溶剤を含んでいる為、高温になったりショートしたりすると発火してしまいす。だから熱の逃げ場がなくなって高温になったり、外から衝撃が加わってショートしたりすると発火する恐れがあるんですね。
時々、電車の中で急にバッグが燃え始めたなんていう報道ありますよね。特に充電用のモバイルバッテリーは要注意ですね。というのは、充電中に熱くなってしまった上に、バッグの中で熱の逃げ場がない、ポケットに入れたまま座ってしまい圧力が加わったことが原因です。さらに充電用のモバイルバッテリーは安くて粗悪品が多いので要注意です。高いうことがわかれば、自分のバック中で発火させたくないから個人としては気をつけますよね。
一方で深刻なのは、リチウムイオン電池が原因と考えられるゴミ処理施設での火災が増えている事です。平成30年度は全国のゴミ処理施設でリチウムイオン電池が原因と考えられる発火・発煙が128件もありました。これは32件だった5年前の4倍になっており本当に深刻です。我々のゴミ処理を行っている施設が火災になってしまったら大変です。全焼してしまい操業停止になってしまった施設もあったそうです。
リチウムイオン電池は、資源有効利用推進法によって製造業者に回収が義務付けられています。ですから、家電量販店などで回収を行っているのですが、そうしたことを知らないまま、市町村回収のゴミと一緒に出してしまった結果として火災に繋がってしまったようです。
確かにリチウムイオン電池の法的な考え方、企業の責任論、これはその通りですが、市町村のゴミ処理行政も考えなければいけないでしょうね。私、横浜市長時代に横浜市のゴミを40%減らした、いわばゴミのプロです。
考えてみれば「リチウムイオン電池を回収ボックスまで持っていって下さい」と言うのはなかなか難しいところがありますし、家電量販店などで回収している事を、そもそも知られていないですよね。
プラスチックゴミやペットボトルなどの回収は市町村が行い、処理費用を企業が負担するのがルールになっています。これは容器包装リサイクル法に基づいているのですが、私が横浜市長になる前の衆議院議員時代にプロジェクトチームの一員として作った法律です。
リチウムイオン電池の問題、国会に戻ったらやらなければいけない問題かもしれません。
編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年6月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。