待機児童をなくすため、国政から都区制度を見直す!

柳ヶ瀬 裕文

こんにちは。やながせ裕文@参院選比例区です。

東京都選挙区から立候補した、おときた駿さんと連日、東京都内を駆け巡っております。

行く先々で温かいご声援、本当にありがとうございます。

さて、今回のブログは、私が東京都議会議員を辞めて、国政の大きな枠組みから変えなければと思ったことについて、詳しく述べたいと思います。

私は途中から維新に移籍しましたが、この党に入って本当によかったと思うことは、大阪の仲間たちが「本気で改革をするんだ!」という熱量のスゴさを目の当たりにできたことでした。これは東京の政治にはない凄まじいものでした。

みなさまもご存知のように、大阪の維新の一丁目一番地の政策は、大阪都構想の実現です。大阪府と大阪市の二重行政による、さまざまなムダを辞めると同時に、大阪市を東京23区をモデルにした複数の特別区に分けて、1人の市長が面倒を見切れない、人口270万人の巨大都市のきめ細かいサービスをより充実させていくという都市制度の大改革です。

惜しくも4年前の住民投票は僅差で敗れてしまいましたが、私も当時何度も現地に入り、賛成を呼びかけるとともに、市民のニーズに寄り添った現場主導の政策を肌で実感することで、首都東京のシステムの問題点に気づかされるきっかけにもなりました。

写真AC:編集部

翻って10年間の都議時代、東京都という都市制度は、あまりにも肥満化していることを実感する日々でした。

たとえば小池都政でクローズアップされた豊洲市場移転問題。問題がないことにも問題があるかのように混乱させた小池知事の大失政も噴飯ものですが、もともとは石原都政時代にさかのぼります。

石原さんが2017年3月、市場移転に関する百条委員会で「記憶にない」「詳細はわからない」との回答をしたように、歴代の知事の能力とは別に、一人の政治家では巨大な役所の全てを把握するのは不可能なことが問題を複雑化しました。

都の予算は13兆円。これはスウェーデンの国家予算を超える規模です。ここで問題なのは、住民に身近な課題である教育や福祉、水道・下水道などのインフラ、警察・消防など治安・防災・危機管理、地下鉄・バスの経営まで、守備範囲がものすごく広大です。

その分、23区の区民一人ひとりが満足するサービスを提供するには、きめ細やかにニーズを把握し、迅速に対応することが必要ですが、この巨体を持て余しているなかで機動的に動けているとは言い難いのではないでしょうか。

写真AC:編集部

私や維新の会では、待機児童対策がいつまで経っても進展しなかった理由はここにもあると考えています。前回の都議選でも訴え、選挙前には橋下さんも講演で力説され、お集まりの皆さんが腑に落ちたような表情をされているのが印象的でした。

では、どうすればいいのか。キーワードは「ニア・イズ・ベター」。これは、国から現場に近い地方自治体に権限を委譲することで使われますが、同じことは東京都から市区町村への権限委譲についても言えることなのです。

中央区や港区のようなオフィスの集積地と、自然豊かな奥多摩町や檜原村、小笠原など離島の2町6村などのエリアとは環境も人口もバラバラ。当然、住民ニーズも解決策も異なってきます。

待機児童の問題についても、都議会では定例会のたびに議論はされてきましたが、現場を知らない政府や東京都が政策を練っても机上の空論になりがちです。保育施設の用地取得も、都心部と郊外では土地の値段も、保育士の人材集めも状況が異なります。

福祉や教育、まちづくりなど住民に身近なサービスは、基礎自治体に任せることがキモです。いまの東京都と23区の原型となる東京市制度ができたのが1932年。現在の都政施行が戦時中の1943年。昭和、平成、令和と時代も環境も変わったのに、都市制度はいまのままでいいのでしょうか。

いまこそ、都と区の役割分担をしっかり見直し、権限を整理する。しかし都と区の当事者間だけでは、ここでもしがらみや既得権の問題で改革の動きは出ないでしょう。だからこそ国がリーダーシップと仲介の労を取らねばなりません。国政から首都を再生し、日本全体の再起動につなげたいと思います。

維新の参院選マニフェストもぜひご覧ください!(リンク先はこちら


柳ヶ瀬 裕文  前東京都議会議員、日本維新の会 参議院東京比例区支部長
1974年生まれ。JR東日本企画、国会議員公設秘書、大田区議会議員を経て東京都議会議員(2009年7月〜2019年3月)。都議在任中は「こども達の未来へ」をキャッチに、徹底した行革、ムダの削減、都営地下鉄と東京メトロの統合民営化、医療、教育問題などに取り組んだ。2019年参院選比例区から立候補。公式サイト