インド人はココイチのカレーを食べるのか?

日本経済新聞によれば、「ココイチ」ことカレーハウスCoCo壱番屋を展開する壱番屋が、商社と組んでインドに進出するそうです。来年、首都のニューデリー近郊に1号店を出し、5年間で10店出店するとしています(写真も同紙から)。

ココイチは愛知県の発祥でカレーのチェーン店として日本では圧倒的なシェアを誇ります。その魅力は、癖のない万人ウケするサラリとしたカレールーで、時々思い出して食べたくなる中毒性にあります。

カレーの発祥の地であるインドに日本のカレーチェーンが出店する。この本場への逆進出で思い出すのは、いきなりステーキがアメリカに出店した事例です。

残念ながら、アメリカ進出を果たしたいきなりステーキは、今年の2月に2年前にマンハッタンに進出した11店舗のうちの7つをを閉店するというニュースがありました。日本のステーキは、本場アメリカには対抗できなかったということでしょうか。肉を焼くというシンプルな料理なので、現地のお店との差別化が難しかったのかもしれません。

しかし、ココイチのカレーは、インドのカレーとは違います。日本風にアレンジされた独自の進化を遂げています。果たしてインド人はどう思うのでしようか?

日本独自の変化した料理が逆進出する例としては、中国に日本から進出した味千ラーメンがあります。最近は苦戦しているようですが、中国から日本に伝わったラーメンを日式ラーメンという新ジャンルに発展させ、中国のラーメンとは別のカテゴリーを確立しました。

ココイチのカレーは、日式ラーメンと同じように、インドで独自の地位を確立するのではないかと期待しています。

インド人が日本のカレーをおいしいと食べるようになる。海外から取り入れたものを、何でも日本流に変えてしまう。そんな日本人の得意技をインドのカレーでも実現して欲しいものです。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2019年7月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。