相続対策で「畑の真ん中にアパート」を建ててはいけない

最近、相続を機に親族内でトラブルが発生し、その解決法を求める相談が増えています。

昨日開催されたインナーサークル資産設計実践会の月例会では、相続トラブルをどうやって防止するかをテーマに、専門家を招いて実例(写真)をベースに対策を考えました。

4年前の税制改正により相続税率が上がり、今までよりも広い範囲の人たちに相続税がかかるようになりました。今や相続対策は、限られた富裕層の話ではなく、多くの人に関係する重要なテーマになっているのですが、それに気がついた人は、まだ少数派です。

相続時の節税対策としては、不動産の保有と借り入れが有効です。しかし、対策を間違えると逆にさらに大きなトラブルになりかねません。

例えば、親族で相続した不動産を共有にしたり、同じ建物を保有したりすると、将来の修繕費用や、建て直しのタイミングで意見が合わず、もめる原因になるのです。

相続対策と称し、保有する賃貸ニーズのない遊休地に新築のアパート建築し、不良資産になってしまう。それだけではなく、不良資産の処理に関して、親族間で責任の押し付け合いになる。相続対策が更に傷口を広げてしまう最悪のパターンです。

相続対策でアパート業者の言われるがまま「畑の真ん中にアパート」を建ててはいけないのです。

相続トラブルを防止するためには、相続が発生する前に生前財産管理をしっかり行う必要があります。

相続税に詳しい税理士、不動産取引に詳しい専門家、相続時の法律に詳しい弁護士、の3者が知恵を出し合い、後から後悔しない準備しておくことです。

生前に相続の話と言うと、「縁起でもない」と避けたがるテーマであることはよく理解できます。

しかし、せっかく仲良く暮らしてきた親族が、相続を機に絶縁状態になりいがみあって生きていく。そんな不幸な状態を作りたくなければ、避けるべきではなく積極的に対応すべきです。

国内の資産だけではなく、海外不動産や、仮想通貨など様々な資産をせずにどのように管理しているか戦略を立て、実践していく。そのようなアドバイスを行う「生前財産管理サービス」に対するニーズはこれからさらに高まっていくと考えます。

資産デザイン・ソリューションズでは、アセットアロケーションのアドバイスを行うだけではなく、弁護士中、税理士と提携し、相続を含めた賢い財産管理の具体的方法を提案します。

相続はある日突然発生することもあります。後から後悔しないように、余裕がある時に手を打っておくべき大切なテーマです。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2019年7月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。