今、世の中は参議院議員選挙で盛り上がっていると思いますが、「ギャンブル等依存症対策基本法」成立後の政府のやり口を見て、私自身は政治への期待感がすっかり盛り下がっています。
ただ、そう言っていると本当に依存症問題はダメなまま、法律ができただけで魂が吹きこまれないままになってしまうので、なんとか依存症問題が前進されるよう、やはり注目していかなくてはならないなぁ…と最近想いを新たにしたところです。
そこで今日は現在立候補している参議院の先生方のことを取り上げてみたいと思います。
1)尾立源幸氏
まず何と言っても、注目株は全国比例区の尾立源幸先生。
この先生はかつては民主党にいらっしゃいましたけど、今回は自民党で出られるとのこと。
かつては「安倍政権をぶっ潰す!」と歌手の美川憲一さんまで引っ張り出して吠えていらしたのに、最近はこういうパターン本当に多いですよね…だから政治不信がますます進むのかと思いますが…。
しかも、この尾立先生はなんと、ぱちんこ業界の全面バックアップを得て「ぱちんこの族議員になる!」と宣言され立候補しておられるようです。
パチンコ業界紙に踊った「『おだち』を国政に」。その意味と背景(ハーバービジネスオンライン)
パチンコ業界を利する得票数は20万票。その希望を一身に担う自民党・尾立源幸(ハーバービジネスオンライン)
別にパチンコ業界に族議員がいても構いませんし、今の自民党の勢いなら、どこから支援を受けていようが、関係なく当選するんでしょうけど、パチンコ擁護のあまり、「ギャンブル依存症問題なんか関係ねェ!」となられるのは困ります。
そこのところ一体どうお考えなのか?
パチンコ産業をますます儲けさせ、社会問題を増大させても知らん顔…
それは絶対困りますので、是非ともこの方のスタンスを見極めて頂きたいと思います。
2)おときた駿氏
次に日本維新の会から立候補されたおときた駿先生。
こちらは都民ファーストで小池百合子都知事擁立で大活躍したのち、小池知事に反旗を翻したことから、一部ネット界隈で「裏切り者」呼ばわりされ、作家の百田尚樹先生などは、Twitterで「おときたみたいな男は全く信用できない」とつぶやいており、実に面白いなぁと思います。
いやいや百田さんも日本書紀で「Wikiのコピペじゃん!」とか「内容が信用ならない」とさんざん批判されていたような…!? まぁアンチ百田も沢山いますから、これはおときた先生にとってはむしろ追い風なのかもしれないですけど!
まぁ鞍替えという政治スタンスは尾立先生もそうですし、批判されるのは最もだと思いますね。
だって、当時の言葉を信じて応援した人は、急に方向転換されてもすでに一票を投じてしまったわけで、どうしたって「だまされた!」感が出ますよね。
なのでそういう風見鶏的な政治スタンスを有権者の皆さんがどう判断されるかわかりませんけど、少なくともおときた先生は、都議時代から終始一貫して依存症問題には関心を寄せて下さっています。
おときた先生が個人でされていた政治サロンでも1回、おときた先生と宇佐美典也さんのサロンでも1回、私をゲストにお招きいただき、依存症問題について取り上げて下さいました。
また東京都議時代には議会にギャンブル依存症問題について質問もして下さっています。
ホーム > 議会活動 > 文書質問 > 平成26年第三回都議会定例会 文書質問趣意書 (おときた駿氏HPより)
そもそも依存症問題について関心を寄せて下さる議員の先生なんかホント少ないですから、これまでのことを鑑みて国政に行かれてもおときた先生は依存症問題については、引き続きご理解を示して下さるものと思っております。
3)打越さく良氏
最後に新潟選挙区から実質上の野党統一候補として、出馬を決めた打越さく良さんですが、この方は、東大出の弁護士というもうめっちゃ賢い女性です。そして今回の選挙戦で私がイチオシしているのがこの打越さんです。
なんせ打越さんとは、現在高校3年生の息子同士が同じクラスで、高1、高2とPTA役員を一緒に勤めた仲の盟友です。ちなみに、国民民主の矢田わかこ先生の息子さんも同じ高校の1年下で、先日、3人のママ友でランチしました。なんという偶然!
共通の交流させて頂いている政治家の先生方も多く、度々政治談議にも花を咲かせ、私も依存症問題についてじっくりとお話しさせて頂いていました。
もともと打越さんのご主人、村木一郎先生も依存症問題に精通した弁護士さんでいらっしゃり、面倒見の良い人柄といい、頭脳明晰で知識も豊富なことから、依存症界にとってこれほど心強い新星はいません。
打越さんが国政に出て、依存症問題を前進させて下さることを大いに期待しております。
以上、今回の参院選で依存症問題に関わってこられるであろう先生方を取り上げました。
投票にあたって何かのご参考にして頂ければ幸甚です。
田中 紀子
公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表
国立精神・神経医療センター 薬物依存研究部 研究生
競艇・カジノにはまったギャンブル依存症当事者であり、祖父、父、夫がギャンブル依存症という三代目ギャン妻(ギャンブラーの妻)です。 著書:「三代目ギャン妻の物語」(高文研)「ギャンブル依存症」(角川新書)「ギャンブル依存症問題を考える会」公式サイト