参議院選挙が終わり、こんどは、いつ衆議院が解散されるかに注目が集まっている。秋にという意見もある。野党、とくに立憲民主党や共産党は選挙資金が不足しているだろうからちょうどよいという意見もある。ただ、なかなか口実が難しい。
消費増税との関係でも、増税の前後は軽減税率についての混乱もあるだろうし、常識的には難しい。消費税引き上げ延期を口実にするというのも、たとえ、引き上げしないにせよ、半年前に実施を約束して、野党と対立しておきながらどうしてということで冴えない。
そこで私が提案したいのは、来年7月の東京都知事選挙との同日選挙だ。小池百合子知事の任期満了は8月1日。公職選挙法は、「地方公共団体の長の任期満了に伴う選挙:任期満了日の前40日以内(第33条第1項) 」としているから、 日曜日では6月28日、7月5、12、19、26日ならいい。ただ、常識的には12か19日だろう。
そして東京五輪の開会式が7月23日なので、普通には12日あたりだろう。そして、新知事の初当庁が8月2日で五輪閉会式は9日だ。
都知事選については、都議会自民党はあいかわらず対抗馬を出したがっているが、現職は強く、女性知事についていえば全国どこでも現職落選はいちども例がない。それに、五輪開幕直前に政権党と現職知事が血みどろの戦いもあまりよくない。
もし勝てるとすれば、小泉進次郎くらいではないかと思う。それよりは、政策協定などしっかり結んで自公も小池知事に乗るほうが現実的だ。あと1期限りといった約束もありだし、憲法改正への協力もあっておかしくない。
そして、私はそれを前提に、同じ日に解散総選挙でもいいのでないかと思う。五輪の祝賀ムードは好都合だ。それに、アメリカの大統領選挙が本格スタートする前のほうがよい。もし民主党大統領になる、あるいは有利だというような可能性もあるのも理由だ。
その次の政治日程は、2021年1月にアメリカ新政権発足、9月が自民党総裁選挙であり、2022年7月が参議院選挙だ。
そして、私の提案は、安倍首相が総裁選挙には出馬せず、そのかわりに、菅官房長官でも岸田政調会長でも誰でもいいが、首相としては1~2年は安倍首相がつとめ、そのあと交代するという一時的な「総総分離」を公約して出馬することだ。
石破氏とほかの候補では一般党員投票の行方は微妙だ。それを回避するためには二枚看板でというのがひとつ。そして、安倍ロスを緩和するためには、二段階の政権移譲プロセスが好ましいということだ。次の参議院選挙も安倍首相で臨める。そこで同日選挙もありうる。
交代時期は、2022年末か2023年中ごろあたりか。ただし、憲法改正をどうするかも微妙に影響するだろう。
八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授