「晴海フラッグ」は買うべきか?買わざるべきか?

話題の東京オリンピック選手村マンション「晴海フラッグ(HARUMI FLAG)」の第1期の申し込みをしていましたが、昨日抽選があり、運良く当たりました。

オリンピック選手村の跡地である中央区晴海の13ヘクタールの土地に建設される新しい開発プロジェクトです。5000戸を超える住宅が建設され、商業施設や学校等も含まれる計画都市となります。

中央区では希少性のある魅力的な物件だと思っていますが、とある住宅ジャーナリストの人が、この物件の購入に懸念を示しています。

その理由は次の3つです。

1. 資産性の低さ
最寄り駅からの距離が徒歩20分近くと利便性が低い。資産価値が低いから将来値上がりしにくく、賃貸物件としても借り手を見つけにくい。

2. 大量供給の影響
大規模な開発物件は築10年を過ぎると、大量の売り物件が出るので相場が崩れやすい。特に不況期には急落しやすい物件になる。

3. 将来の金利上昇リスク
入居予定は2023年以降が予定されており、その時点で残金90%を決済することになっています。借入をするとした場合、将来金利上昇していると、ローンが借りられない、あるいは返済金額が想定以上になるリスクがある。

しかし、私は少し違った見方をしています。

まず、資産性に関しては、中央区の数少ない大規模開発ランドマーク物件として注目が高まり、高い資産性を持つと考えます。分譲価格は、周辺物件に比べて20%から30%割安で、購入することができれば、割安に資産を手に入れられます。BRTによるアクセスには不安もありますが、住民のニーズを考えれば、頻繁に運行し利便性が高まると予想します。現状平日ピーク時には1時間20便の予定ですから、3分に1本です。

大量供給に関しては、確かに需給にはマイナスです。しかし、実需で購入する人が、かなりの比率でおり、100平米前後のような広い部屋が揃っている物件は、近隣にはありません。売却は、それほど出ないと思っています。

最後の金利に関しては、2023年の決済時に上昇している可能性はゼロではありません。また融資がつかなくなるマーケット環境も、リスクとして存在します。ただし、これは晴海フラッグに限った話ではなく、東京の不動産全体に共通するリスクです。

購入するか、するべきではないかは、メリットを考えながら、リスクをどこまで取るかということにかかっています。大きな不動産の買い物ですから、リスクはゼロではありません。私は、リスクが取れると判断して購入申し込みを決めました。

まだ、賃貸するのか、それとも自分で住むのがも決めていませんが、買いもしないのにあれこれ言う「評論家」ではなく、自分でリスクを取る「投資家」として、HARUMI FLAGでも「人体実験」を始めてみます。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2019年8月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。