ロシアのプーチン大統領が10日、同国が実効支配するウクライナ南部のクリミア半島で開催された国際バイクショーに参加。オートバイを自ら運転し、サイドカーには、親露派の「クリミア共和国」トップのアクショーノフ首長を乗せて、バイクの愛好家クラブのメンバーらと疾走した模様が、日本のネット民の間で「北斗の拳の悪党ぽい」と話題になっている。
ロシアは2014年にクリミア半島に軍事介入して強引に自国に編入。G8から除名されたが、今回のパフォーマンスは国際社会に対し、自国の実効支配をあらためて誇示する狙いがあったと受け止められている。
一方、日本のネットではこの報道の写真をみて、80年代に一斉を風靡したアニメ「北斗の拳」を引き合いに出す反応が続出した。同作品は、核戦争後の荒廃した無秩序な世界が舞台。バイクで疾走した悪党たちが略奪などを目的に集落に乗り込んでくるシーンがしばしば描かれ、プーチン氏の大胆不敵な行動と重ね合わせる人たちが多かったようだ。
この模様を取り上げた産経新聞のツイッターは、リツイート数が半日で1万7千件を超える反響があり、
ネット民からは
完全に北斗の拳の悪党達と同じ絵面だな。
まさに悪党。村を制圧しに来たか、制圧したあとか。
プーチンが「ヒャッハー」と言ったら
などと懐かしのアニメを引き合いにする人が続出。コラージュ的に原作やアニメのシーンと比較する人も多数現れた。
プーチン氏は2010年にもクリミアで同じようにバイク愛好家のイベントに参加。ハーレーにまたがって疾走し、この時も日本のネットでは「北斗の拳」を引き合いに出されていた。
ただ、日本のネット民は面白がっているばかりではない。駐日ロシア大使館のツイッターも日本語でプーチン氏のバイクパフォーマンスを告知したが、
このツイートに対し、
早よ北方領土返せよ
第二次大戦から74年も経て今なお領土的野心を抱き他国を侵す貴国を軽蔑します。
などのツッコミも相次いでいた。折しも11日には北方領土の日本人の元島民らによる墓参に同行取材していた共同通信やテレビ朝日の記者らが国後島で現地警察から「ロシア人に取材したのは違法だ」などと難癖をつけられ、罰金を要求される騒ぎがあった(参照:北海道新聞)。外務省職員が抗議して拒絶し、事なきを得たようだが、大統領から警察に至るまで、ロシアの強権的な体質を物語るニュースが相次いだ日だった。