現在、炎上中のN国党党首VSマツコ・デラックスさんの騒動ですが、私個人としては、N国党の主張には賛同できない点が多々あるものの、今回の件では「よく言ってくれた!」という気持ちが強いです。
立花N国党首、マツコをぶっ壊す!生放送中のスタジオ前で大演説(スポニチ)
事の発端は、マツコさんがN国党について、TOKYO MX TVの「5時に夢中」という人気番組で、「気持ち悪い人たち」「ふざけて入れた人も相当いると思う」「宗教的」といった発言をし、それに対して立花さんがかみついたんですね。
そして、マツコさんと「タイマンで話し合おう!」とばかりに、テレビ局前で出待ちをして、そこにメディアや支援者が駆けつけ大騒動になったというものです。
私、タレントさんが政治的発言をするのは良いとしても、この発言はいかがなものかな?と思いますね。だってなんの論拠もエビデンスもない、ただの感情論ですもんね。
「気持ち悪い」とかって逆にマツコさんが発信力のある人に言われたら激怒するでしょうし、ふざけて投票して、当選まではなかなかできないと思います。
パチンコが鳴り物入りで、天下の自民党から族議員を出そうとしても落選する位なんですよ。私の様な一般人は「れいわ」の大躍進をみても、現在の政治に閉塞感を抱いている人が多いんだなぁと思いましたけど、これは有権者に失礼では?と思います。
あと「宗教的」っていうのは…?だって宗教色の濃い政党は他にあるじゃないですか。
そんなこと日本国民誰でも知ってますよね。だったら何故、そこに喰ってかからないんですかね?
強い人達にはだんまり、マイノリティには強い!
最近のマツコさん、SMAPの新しい地図の皆さんへの発言をみても、すっかり強い人へおもねっちゃったのね…と残念に思います。むしろマツコさんの魅力は、マイノリティであることを堂々とさらし、そんなご自分に自信を持ち、強者に媚びず、むしろ強者に対する迎合を揶揄するようなところにあったかと思うんですけど。
で、立花さんの言い分をYoutubeで拝見したのですが、これが私が常日頃から言ってることと、全く同じなんですよね。
つまり
「限られた資源の電波をTV局に分け与えている。その既得権を貰っているんだから、放送は、公平中立にしなくちゃいけないという法律がある。それなのにこの発言はおかしい!」
というものです。
こちらのYoutube 8分頃から、立花先生この旨を吠えてます。
で、私この部分に関しては「よくぞ言ってくれた!」という気持ちが強いです。
大体、発言力のあるタレントさんが、絶対に反論できない弱い立場の人達を叩きまくる、現在の地上波の弱い者いじめの加速には、心からうんざりしています。
その中でも、最たるものが「違法薬物使用者叩き」。
胴元でも売人でもなく末端の使用者、しかもかつても芸能界の同僚を叩きまくるって、人間性を疑うというか、そっちのほうがどうかしてると思っています。
しかもそのことに対して、言われた方は絶対に反論できない。黙っているしかない。この構図が、我々一般人の依存症者とその家族をどれだけ苦しめてきたことか!
極悪人のように言いたい放題言われるために、今や日本の各地で薬物依存回復施設の反対運動が起きています。
いいんですか?皆さん、この日本に回復施設がなくなっても?
回復できない薬物依存症者だらけになっても、構わないんですか?
その責任を、正義感ぶったタレントコメンテーターは責任が取れるんですか?
…ってことを常々主張して来ましたが、所詮私の様な一般人の声など、社会問題に興味を持つ感度の高い人にしか届きません。今どき地上波のワイドショーを見ているような、日本のご隠居世帯ボリュームゾーンになんか一切届かない訳ですよ。
でも、この度は、N国党という反論できる人のところに、マツコ・デラックスさんという、日本一の売れっ子タレントさんが地雷を踏んだために、大騒動となったので、是非、この機会に地上波の「公平で中立的な番組作り」と「反論できない弱者いじめ」について、社会へ一石を投じることになって欲しいと思っています。
立花先生の出待ちに対して、野口健さんなんかボロクソに叩いていますけど、
野口健氏 N国立花党首のマツコ批判に「それが国会議員の行いか?」(デイリースポーツ)
我々のように感情論だけで、一方的に公共の電波を使って、発信力のあるタレントに叩かれる恐怖を、むしろ野口さんには、この機会に知って欲しいと思います。
それにしても、「出待ち」とは!
考えつかなかったなぁ~。
私も、今度薬物問題で坂上忍さんや東国原さんがめちゃくちゃなこと言ったら、仲間集めて「バイキング」で出待ちしようかなぁ~(笑)
田中 紀子
公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表
国立精神・神経医療センター 薬物依存研究部 研究生
競艇・カジノにはまったギャンブル依存症当事者であり、祖父、父、夫がギャンブル依存症という三代目ギャン妻(ギャンブラーの妻)です。 著書:「三代目ギャン妻の物語」(高文研)「ギャンブル依存症」(角川新書)「ギャンブル依存症問題を考える会」公式サイト